#097 小さな世界|ショートショート
その端末には、小さな世界が入っていた。
起動すると青い空と緑の大地が現れ、数億の住民が暮らす完全な世界が動き出した。
男は毎晩、ベッドに寝転がってそれを眺めた。住民たちが恋をし、戦争をし、科学を発展させていく。まるでテレビドラマのようだ。
「退屈しのぎにちょうどいい…」
男はつぶやき、画面を時々指で叩いた。
画面を叩くと、雷雨を呼んだり地震を起こしたりできた。住民たちは「神の御業」と恐れ、祈りを捧げた。
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