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中国2035年問題を、当事者として考える

中国について、「2035年問題」という言葉があります。

簡単にいうと、中国が高齢化社会となり、さまざまな問題が噴出する転換点となると考えられているのが2035年です。

日本では中国オワタ論として喜ばれそうな話かもしれませんが、中国人の家族のいる僕の身としては、まったくの他人ごととして切り離すわけにもいかない話です。

というわけで、この中国2035年問題について、今のうちに考えておくことにしました。

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まず、最初に2035年問題について整理しておきます。

中国はすでに人口減少局面に入っています。中国国家統計局によれば、2025年末時点の中国の総人口は約14億489万人。出生数は792万人、死亡数は1,131万人で、人口は前年より339万人減りました

高齢化も進んでいます。2025年末時点で、60歳以上人口は3億2,338万人、総人口の23.0%。65歳以上人口は2億2,365万人で、総人口の15.9%です。

日本の高齢化率と比べれば、まだ中国のほうが若い社会ではあります。日本ではすでに65歳以上が人口の3割近くを占めていますが、それに比べれば、中国にはまだ巨大な生産年齢人口が残されています。しかし、足元で少子化は進んでおり、この構造はそう長くは保ちません。

中国国家衛健委は、2035年前後には中国の60歳以上人口が4億人、総人口の30%を超えると説明しています。さらに中国社科院の推計では、城鎮職工基本養老保険基金の累積残高が2035年前後に枯渇する可能性があるともされています。この人口構成の変化と年金枯渇のタイミングが、2035年が節目とされている所以です。

実際にはここに至るまでに受給年齢の引き上げや金額の調整などが行われていくことになるのでしょうが(定年の延長はすでに始まっています)、それはどれだけ問題を先延ばしにできるかという話にすぎず、カウントダウンはすでに始まっている、ということです。

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中国ではおそらく、高齢化の問題は家庭に強くのしかかることになります。

もともと公助が薄い中国では、年金のほか介護制度なども発達しておらず、公的な仕組みで高齢者を支える体制ができていないからです。そのため、高齢者の問題は社会ではなく、家庭に押し留められる形になります。

このマガジンでは、中国の親が子どものためにマンションの購入資金を出したり、孫の面倒を見たりと、子ども夫婦の生活に強く介入することを何度も書いています。我が家でもお金は出してもらっていませんが、出産直後は義母に住み込みで手伝ってもらいました。

そのような行動はもちろん我が子や孫を思ってのことなのですが、前述のように家族が公助に頼らない、生き残りのための活動単位となっている社会において、親の手助けは「そのぶん私たちの老後の面倒をみなさいよ」という見返りを期待して行われている面も強力にあります。

しかし少子化・未婚化の世の中では、その担い手がそもそもいないということになります。そのうえ年金まで当てにならないとなると、現役世代の負担は非常に大きくなります。仮に家とお金があったとしても(それが十分でない場合がほとんどですが)、家庭に誰もいない、外部サービスとしての担い手もおらず、物理的に面倒が見られないというケースも急増するでしょう。

中国の少子高齢化は、まず国家財政の数字としてもそうですが、まずは家計と家庭内の負担として強く表れやすいのではないかと思います。

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もちろん、日本にも同じ問題はあります。

日本でも、親の介護、医療費、老後資金、子育てとの両立、介護離職などは深刻な問題です。少子高齢化の負担が家族に降りてくるという意味では、全く同じ構造が存在しています。

ただ、それでも日本には一定以上の充実した介護、年金、優れた医療制度、行政サービスなどがあります。日本の問題は、あくまでその充実した制度が維持できなくなる、というところの議論です。

対して中国では、そのクッションとなる制度がもともと存在していないため、人口構成による問題がより直接的に家庭を苦しめる形になることが想像できます。

うちの親をどうするか。誰が病院に連れていくのか。誰が付き添うのか。誰が生活費を出すのか。誰が同居するのか。誰が仕事を休むのか。

日本では制度がきしむ音として聞こえる問題が、2035年以降の中国では各家庭の悲鳴としてダイレクトに街中に響くようになるのかもしれません。

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さて、その中で中国で家庭を持ってしまった僕自身はどうするのかという話です。

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