【小説】Lv27 僕にしかできない役割| 先生、冒険の続きを。~31年目のサンスーファンタジー~|第3章 ユーチ覚醒 編
【ここまでのお話】
Lv27 僕にしかできない役割
激戦の果てに、まばゆい光の奔流
とともに消え去った四天王ケイサーン。
ワーリー国の戦場に、
ようやく穏やかな風が吹き抜ける。
よしきち、
そして固いバットを握りしめたユータン、
ボロボロになりながらも耐え抜いたタカチ。
そして、僕。
四天王が仕掛けてきた、
圧倒的な数字の暴力だった。
でも、10歳の僕は、
今回は絶対に鉛筆を置かなかった。
恐怖に負けず、
最後まで泥臭く戦い抜いたんだ。
そして、何よりも。
僕は今、自分の足で、内股の足で
この憧れ続けたサンスーファンタジーの世界に
自分の足で立っている。

細いキツネ目に、
生まれつきの内股。
プリントの余白に、
先生のタッチで
確かに描かれた僕の姿を見つめながら、
胸の奥から言葉にならない
熱いものが溢れて止まらなかった。
正直に言うと、
四天王を一緒に倒せたことそれ自体よりも、
何倍も、何十倍も
嬉しいことがあった。
それは、僕のこれまでの頑張りや、
『よしきちと一緒に戦いたい』という
あの狂おしいほどの想いを、
先生が全部汲み取って、
認めてくれたということ。
「よく頑張ったな、ユーチ」
プリントの向こうから、
先生のそんな優しい声が聞こえるようだった。
僕は、こうして
『サンスーファンタジー』というたった
1枚の紙の魔法を通して、
あれほど大嫌いだった
勉強嫌いを克服していった。
「やれば、
できるのかもしれない」
「僕だって、
みんなの役に立てるんだ」
失敗ばかりで、何をやっても勝てない
『だらしなキング』だった少年の心に、
少しずつ、けれど絶対に折れない。
『自 信』
という名の確かな骨組みが
組み立てられていったんだ。
振り返ってみると、
僕のキャラクターは、
決して物語のド真ん中で戦うような
『主役級のヒーロー』ではなかった。
けれど、僕はきっと、
4年4組の誰よりも長く、
この
サンスーファンタジーに
登場し続けたキャラクター
だった。
この異世界における僕の役割と言えば、
前線で戦う勇者よしきちの背中を支える

『サポート役』
お調子者の性質をフルに活かして、
敵の理性を狂わせる

『挑発役』
そして、緊迫した戦場をクスッと
笑わせるような、どこか憎めない

『お茶目役』
まさに、そんな
『三枚目のポジション』だった。
強力な魔法や、
一撃必殺を持った
『強いキャラ』
ではなかったかもしれない。
でも、10歳の僕は、
その自分の立ち位置が
たまらなく愛おしく、
誇らしかった。
昔から、
人の先頭に立って引っ張るリーダーよりも、
誰かの後ろについて支えるサポートのほうが、
自分の性分に合っていて好きだったからだ。
先生が作ってくれた壮大な物語の中で、
僕にしかできない、
僕だからこそ輝ける
『大切な役』
を与えてもらえたこと。
そのこと自体が、
僕にとって
最高の勲章だった。
算数の呪いを解く大冒険は、
まだまだ続いていく。
だけど、今の僕には、
隣に最強の勇者がいる。
心強い仲間たちがいる。
そして、自分にしかできない役割がある。
もう、何が来ても怖くない。
僕は、
キツネ目を細め、
ニカッと笑い、
よしきちの隣で、
次なる戦場へ向けて
力強く一歩を踏み出した。

ユーチは『自信』を
手に入れた!
Lv27:僕にしかできない役割 完/Lv28へ続く
【💬冒険者の掲示板】
ここまで読んでくださり、
ありがとうございます!
今日のちょっとした質問です!
Q. これは、自分だけの役割だな~?
と思うことは??
「①ある」それとも「②ない」?
ぜひ、コメント欄で教えてくださいね〜✨
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