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【小説】Lv26 満を持して、ユーチ見参|先生、冒険の続きを。~31年目のサンスーファンタジー~|第3章 ユーチ覚醒 編

【ここまでのお話】





Lv26 満を持して、ユーチ見参



「ユーチよ、
サンスー族 四天王の
『ヒョウ』を追え!」

「そして、一刻も早く、
勇者よしきちに合流しろ!!」



ぐにゃりと反転する世界の中心で、
またあの声が鼓膜を揺らした。

世界から音が消え、
次の瞬間、

凄まじい風の音と共に、
大地へとドスンと着地していた。

僕は、自らの意志で

『再ログイン』


を果たしたんだ。

肌を刺す空気の冷たさ、
確かに踏みしめた土の感触。

すり抜ける透明人間じゃない。
今度は体だって暖かい。

「細いキツネ目、
生まれつきの内股、
間違いなく、僕だ。」

「先生が僕を
サンスーファンタジーの
プリントに描いてくれたんだ。」


僕の想いと、
努力を汲んでくれたんだ。

「来たぞ!

サンスーファンタジー
の世界に!!」

『Lv21 二人の少年戦士 』

左 ユーチ   右 ユータン


気がつくと、僕の隣には心強い仲間の
『ユータン』がバットを持って立っていた。

どうやら僕たちは今、四天王の一人、
グラフや表を操る『ヒョウ』の行方を追って、
決戦の地である、ワーリー国の国境を
猛スピードで駆け抜けているところらしい。

ワーリー国、
あそこで、
四天王ケイサーンが
暴れているんだ。

急がなきゃ。

よしきちが一人で戦っている。

そう思った次の瞬間、
立ち込める土煙の向こうから、
オーラを全身に纏ったような、
ひとりの男が、
こちらに向かって真っ直ぐに
歩いてくるのが見えた。



「……よしきち!!!」

待ちに待った、
勇者よしきちとの奇跡の合流。

とうとう、一緒に戦える。

今度は絶対に、
逃げたりしない。

サンスー族からも、
勉強からも、
そして、自分からも、
逃げないって決めたんだ。


僕たちが激しい戦闘音が、
轟くワーリー国の中心部にたどり着いたとき、
目の前には最悪の光景が広がっていた。

四天王『ケイサーン』が、
冷酷な笑みを浮かべながら、

僕たちの仲間である『タカチ』の
頭を大きな手でガシッと掴んでいたんだ。

もう、あの時みたいに
パニックを起こして逃げたりはしない。

地響きと共に、ケイサーンが
巨大な数式の障壁を展開する。

『 く ふ う し て 計 算 し ろ 』

四天王ケイサーンの、
容赦ない攻撃。

「僕も参戦する!
よしきちをサポート
するんだ!!」

現実世界の僕は、
算数が大嫌いで、
いつも教室の後ろで
おちゃらけているだけのお調子者だった。



僕は数式を華麗にかわしながら、
ケイサーンの目の前でこれでもかと
大声を張り上げた。

「ダハハハハ〜〜〜!」
「ちょうしにのんなよ〜〜〜!」

だけど、この世界では、
その『お調子者』という
僕のキャラクターが、
四天王の理性を崩す武器になる。

ケイサーンに確実に
ダメージを与えている。


「まけおしみを言うな~」


僕の狙い通り、
プリントに書かれた
キャラクター通りの生意気なセリフに、
ケイサーンの様子がおかしい。

しかし、
四天王が、
このまま終わるはずがなかった。

激昂したケイサーンの身体から、
これまでの数倍の、
禍々しいサンスー族の魔力が噴き出す。


ケイサーンが、
その『真の力』を解放したんだ。


共闘する よしきちとユーチ

目の前に現れたのは、もはや4年生の解く
レベルを遥かに超越した、
見たこともない長い呪いの数式だった。



723×38 - 68×51 ÷ 12 +

( 549×720 + 839 - 58 ) + 18


あまりの数字の暴力。

一瞬、頭がクラッとしかけた。
でも、もう絶対に逃げない。

「勉強からも、
難しい計算からも、
サンスー族の脅威からも。」


そして、何より、

「何をやってもダメだと
諦めていた『自分自身』
からも!」

「タカチ、ユータン、僕たちもいくぞ!
よしきちを支えるんだ!」

僕はボロボロのタカチとユータンと、
視線を交わして数式に飛び込んだ。

「全体の計算は
よしきちに任せる!

僕はここを崩す!
68×51だな!」

頭をフル回転させる。
脳裏に、かつて夢中になってプリントを
解いたあの感覚が蘇る。

「1を掛けるから、一の位はそのまま68だ!
十の位は、8×5で40、6×5で30!
前の計算の4を足して、34……。
繋げて、答えは…」

「3 4 6 8 !!! 」


僕は、自分の全霊を込めて
叩き出した計算結果を、
前線で戦うよしきちへと叫んだ。

「よしきち、
僕の計算結果を使って!!!」


僕の算出した『3468』の数字が、
先生を助け、巨大な数式の呪いを打ち砕いた!

よしきちが最終的な答えを導き出す。

「 4 2 3 2 6 4 !!!!!」



ゴオオオオオオオオオオオオオォォォォーーーー!!!!!


その叫びが、四天王ケイサーンを直撃し、
その巨体を打ち砕いた。

だらしなキングと呼ばれた少年が、
大好きなよしきちと、
大切な仲間たちと
心をひとつにして、
ついにサンスー族の四天王を
撃破した歴史的瞬間だった。

四天王 ケイサーンをたおした!

Lv26:満を持して、ユーチ見参 完/Lv27へ続く


【💬冒険者の掲示板】


ここまで読んでくださり、
ありがとうございます!

ユーチがケイサーンを撃破したところで、
今日のちょっとした質問です!

Q. あなたが人生で倒した強敵はいますか?

ぜひ、コメント欄で教えてくださいね〜✨


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