リウマチではないと言われたのに指が痛い…その原因は?
「指が痛くて病院を受診したけど、『リウマチではありません』と言われた。」
それなのに痛みは続く。
そんな経験はありませんか?
実は、指の痛みの原因は関節リウマチだけではありません。また、血液検査が陰性だからといって、必ずしもリウマチを否定できるわけでもありません。
今回は「リウマチではないと言われた指の痛み」について。
リウマチの血液検査が陰性なら安心?
関節リウマチでは、リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体という血液検査がよく行われます。
しかし、関節リウマチ患者さんの中には、これらが陰性の方もいます。
これを「血清反応陰性関節リウマチ」と呼びます。
特に発症初期では血液検査に異常が出ないこともあり、症状や関節エコー、MRIなどを総合的に判断して診断します。
そのため、
「血液検査が陰性=絶対にリウマチではない」
とは言い切れない。
血清反応陰性脊椎関節炎という病気もある
リウマチの検査が陰性で、指の痛みや腫れがある場合に考える病気の一つです。
代表的なものに
・乾癬性関節炎
・反応性関節炎
・強直性脊椎炎
・炎症性腸疾患関連関節炎
があります。
特徴は、
・指全体がソーセージのように腫れる
・腰痛を伴う
・皮膚に乾癬がある
・家族に同じ病気がいる
など。
一般的なリウマチとは少し異なる特徴があります。
指の痛みではどんな検査をする?
指の痛みの原因を調べるために、整形外科では血液検査や画像検査を組み合わせて診断します。
血液検査
まずは炎症やリウマチの有無を確認します。
主な項目は、
・CRP(炎症の程度)
・赤沈(ESR)
・リウマトイド因子(RF)
・抗CCP抗体
関節リウマチでは抗CCP抗体が陽性になることが多いですが、発症初期や血清反応陰性リウマチでは陰性の場合もあります。
自己免疫疾患の検査
膠原病が疑われる場合には、
・抗核抗体(ANA)
・抗SS-A抗体
・抗SS-B抗体
・補体
などを追加することがあります。
シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)などの鑑別に役立ちます。
尿酸・代謝関連の検査
結晶性関節炎が疑われる場合には、
・尿酸
・カルシウム
・リン
・副甲状腺ホルモン(PTH)
などを調べることがあります。
偽痛風の背景に代謝異常が隠れていることもあります。
レントゲン検査
関節の変形や骨の変化を確認します。
・へバーデン結節
・ブシャール結節
・変形性関節症
などでは特徴的な変化が見られます。
関節エコー検査
最近は関節エコーが非常に有用です。
レントゲンでは分からない、
・滑膜炎(関節の炎症)
・関節液
・腱鞘炎
・血流増加
などをリアルタイムで確認できます。
特に血清反応陰性リウマチの早期発見に役立ちます。
整形外科医にとっては、聴診器のような存在になりつつあります。
MRI検査
診断が難しい場合にはMRIを行うこともあります。
骨のむくみ(骨髄浮腫)や初期の炎症を確認できるため、早期リウマチの診断に有用です。
最も多いのはへバーデン結節
実際の外来で最もよく見かけるのは、へバーデン結節です。
指の第一関節(爪に近い関節)が腫れたり、変形したりします。
特に40代以降の女性に多く、更年期との関連も指摘されています。
「リウマチではないと言われたけど痛い」
という方の多くが、この病気だったりします。
ブシャール結節や変形性関節症
第二関節が痛む場合はブシャール結節のことがあります。
また、加齢や長年の負荷による変形性関節症も珍しくありません。
関節軟骨がすり減ることで炎症が起こり、痛みや腫れが出ます。
偽痛風などの結晶性関節炎
突然、「昨日まで何ともなかったのに、今日腫れた」という場合は偽痛風も考えます。
関節内にカルシウム結晶が沈着し、強い炎症を起こす病気です。
高齢者に多く、リウマチと間違われることもあります。
腱鞘炎やばね指
関節ではなく腱の炎症が原因の場合もあります。
・朝にこわばる
・曲げると引っかかる
・伸ばすとカクンとなる
このような症状なら、ばね指の可能性があります。
女性ホルモンの変化や糖尿病とも関連します。
感染症や膠原病が隠れていることも
頻度は高くありませんが、
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・シェーグレン症候群
・強皮症
・ウイルス感染後の関節炎
などが原因になることもあります。
発熱や全身倦怠感、皮疹などがある場合は注意が必要です。
栄養やホルモンの影響も
最近では、
・ビタミンD不足
・鉄不足
・タンパク質不足
・更年期によるエストロゲン低下
なども関節や腱の不調に関係すると考えられています。
特に更年期女性では、検査では大きな異常がないのに痛みが続くケースも少なくありません。
まとめ
指の痛みは、関節リウマチだけが原因ではない。
また、血液検査が陰性でも、
・血清反応陰性関節リウマチ
・乾癬性関節炎などの脊椎関節炎
が隠れていることがあります。
一方で、
・へバーデン結節
・ブシャール結節
・変形性関節症
・偽痛風
・腱鞘炎
・膠原病
・栄養やホルモンの問題
なども非常に多い原因。
大切なのは「リウマチかどうか」だけではなく、「なぜ痛いのか」を見極めること。
指の痛みが長引く場合は、血液検査だけで判断せず、症状や画像検査も含めて総合的に評価してもらいましょう。
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