合わないと思っていた主治医と対話ができるようになった
精神科の診察では初回で今までの生育歴や症状の原因と思しき出来事について聞かれるため、主治医に対して一度心を開かなくてはならない。
けれど、私は基本的に人を信用できないタチで、中途半端に自分の情報を持っている人間を遠ざけてしまう癖がある。
もうこれ以上私の内面に踏み込んでこないで!
──と拒絶してしまうのだ。
そしてここから診察での不毛なやり取りが続くようになった。
「調子どう?」と聞かれても「死にたいです」としか答えない私。
「いや、今日までの間にあった出来事とか、それで症状がどう出たかとかを聞きたいんだけど?」
という様子の主治医に対して
「今一番困ってるのは希死念慮だからそれに効く薬をください」
と言わんばかりに「死にたいです」と繰り返す私。
「何で死にたいの?」
と聞かれても原因がわからないので
「死にたいから」
としか答えられない。
診察に行くたびにそんなやり取りばかりしていたため、しまいには紹介状に「診察でも調子が良いか悪いか程度の話にしかならない」「秘匿傾向」と書かれてしまった。
え、だって診察って薬をもらいに行く場所でしょ?
話を聞いてもらう場所はカウンセリングのはずだし、今一番つらい症状を言えばそれに合わせて薬調整してくれるんじゃないの……?
と思っていたのだが、一つ落とし穴があった。
ありがたいことに、私の通院先は診察時間が10分だからか、他科の病院のように現在の症状を訊くだけでなく生活の状況や近況まで聞き取る余裕があったわけだ。
それをつい最近まで私は突っぱねており、近況を聞かれても「眠いです」「寝てます」「体がだるくて」等と病状に結びつけた答えしかしていなかった。
もちろんこれが間違いだったとは言いきれない。
だが最近になってようやく主治医を信頼できるようになってきた私は、友達と会ったことやバイトのこと等を自分から喋れるようになってきた。
もっと早く主治医を信頼できればよかったのだが、いかんせん私が人間不信気味なところがあり、押されると押し返したくなるタイプなので、主治医との「普通の」会話が成り立つようになるまで2年もかかってしまったわけだ。
その上で、「この薬は減らさないでほしい」「最近はこれに困っている」といった会話ができるようになったため、診察の情報量が増えて充実していると感じる。
残念なことにあと半年ほどで転院して主治医とはお別れすることが決まっているのだが、それまでの間、いや転院してからも上手に診察を受けられる患者でいたい。
