サバイバーってなに?シリーズ①ある日病は突然に。
サバイバーってなんだろう?
とくに闘っているつもりはないのに。
この言葉を耳にすると、なんとなくもやっとしてしまいます。
機関銃を背負って、匍匐前進しているイメージしか出てこないからかもしれません🙁
うん。
そういうのは、自分には似合わないですね。
日常を、のらりくらりと生きているだけですから。
でも。
日々を過ごし、どうにか生きている。
もしかしたら、誰もがそんなサバイバーと言えるのかもしれませんね。
3年ほどまえの事でした。
仕事も生活も、ゆるやかな時期でした。
大きな問題もなく。
淡々と、それでいてぽかぽかとした穏やかな陽だまりのような日々。
そんななか、少しだけ胸にひっかかることがありました。
半年ほど前から、謎の出血が続いていたのでした。
なんだろう??
とくに痛みもないし、大量出血というほどでもないし。
そんなおおごとでもないかなぁ。
そうは思いつつ。
その小さな出血は、心の中にシミのような違和感として残りました。
半年くらい経ちました。
一年の終わりに入りかけた頃。
じわじわと、原因不明の腹痛に悩まされるようになりました。
市販薬では治まらず。
その痛みは、押しては引いていく波のように、じわじわと侵食していき。
仕事中も脂汗を滲ませながらも、なんとか堪えて乗りきっていたのでした。
もともと胃腸は弱いです。
このときも、そんな不調の延長線上だと思っていました。
平日休みの日に、軽い気持ちで。
「お薬だけ処方してもらおうっと」
近所の総合病院を受診することにしたのでした。
そこから。
まるで医療ドラマのような展開が、静かにはじまりました。
消毒薬の匂いのたちこめる、真っ白なキャンパスのような壁の、静かな診察室。
担当医師は、若くて綺麗な女性でしたが、少しだけ緊迫した面持ちで言いました。
「今日のうちに、必ずCT撮影をして、来週は精密検査を受けてください」
静かな診察室の空間に、なにか小さな亀裂のようなものが、ピシッと一瞬走ったような気がしました。
そのまま、レントゲン室に向かおうとすると、看護師に呼び止められ、
処置室に寄ることになりました。
ん?CTをとるのに、何故に処置室??
事情をよくわからないまま、点滴する流れになりました。
点滴針が刺され、ひんやりと冷たい液体が腕から身体に流れてきました。
その針と繋がった、点滴のぶら下がった棒を、ガラガラと音をたてて引きずって歩きました。
まるで、突然に。
つげ義春の漫画、「ねじ式」の世界に迷い混んでしまったかのようです。
たしかに女医さんでしたけど(笑)、まさかこんな展開になるとは……
外来病棟は、平日にもかかわらず少し混んでいました。
お年寄りのご夫婦や、子連れの親子。
様々な人々の声が、ごく日常のシーンのように交差していました。
まるで都会の雑踏のようだなぁ。
そんな風に思いながら、少しだけうす暗い通路の先へと向かって進んだのでした。
レントゲン室の前。
処置中と表示された、どこか不吉な赤い文字の光を眺めて、途方に暮れる自分がそこにいました。
椅子に座っていたおばあちゃんが、点滴棒を見て、とっさに席をあけてくれました。
「まだ、そんなにお若いのに大変ねぇ……」
おばあちゃんは、同情するような表情でそう言ってくれましたが。
自分にはピンときませんでした。
大変?
なにが大変なんだろう?
もしかして。点滴をしているからそう思ったのかな?
座らせていただいたことには感謝しつつ。
「これはですね、造影剤CTという撮影法らしいですよ」
勘違いさせてはいけないと思い、看護師さんからの説明を、そのまま受け売りで説明しました。
おばあちゃんは、よくわからないといった顔で、首をかしげておりました。
身体中の血管に、造影剤という液体を流して、内臓の状態をよりはっきり映し出す。
治療ではなく、あくまでも検査なのです。
病気と決まったわけではない。
そんな心の声が浮かんだことを、いまでも覚えています。
その後、あれよあれよと検査は進みました。
そして。
自分は、大きな病院に入院し、手術を受けることとなりました。
いまにしてみれば、恵まれていたと思います。
なんだかんだいいながら、こうしてのほほんと暮らせているのですから。
担当医師には、ほんとうにお世話になりました。
速やかに検査予約を入れていただき。
病気の事、治療法、その選択について、あくまでも患者である自分の意思を尊重し、的確なアドバイスをくださいました。
最終的な診断が出た、その日のうちに。
紹介状、画像データーを用意し、取りに来るよう連絡くださったことも、心から感謝しております。
こういった医療に携わる方々、支えてくれた家族にも、自分は生かされていると言ってもいいのではないでしょうか。
ちびちびと、お酒を味わいながら。
「やっぱ酒はうめぇなぁ」
そう呟きながら、こんな深刻な記事を今回は書いております(笑)
少しだけ、外科医のような切り口で補完します。
やや重い内容になってしまいましたが。
自分が書きたいのは、いわゆる闘病記のようなものではありません。
HSP気質の自分が、そのときどう感じ、日々を乗り切っていたのか。
どんなことを選択して、どんなときに生きている実感をもてたのか。
いろいろな事を、とりとめもなくシリーズとして書いていきたいと思います。
具体的な病名も、あえて明かしません。
病気に関する知識や、民間療法的な情報の場にはしたくはありませんので。
それだけは、念のためお伝えしておきます。
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