400人の組織をつくって確信した。「強い組織」の条件。 <マネジメント・リーダーシップ・組織づくり・人材育成・マネージャー・管理職>
「強い組織って、どんな組織なんだろう?」
12年間、延べ2,000名以上のマネジメントに携わり、何度も考えてきました。
売上が高い組織。利益が出る組織。人が辞めない組織。エンゲージメントが高い組織。雰囲気がいい組織。
もちろん、全部大切です。
でも、私が目指していたものは、
最初からそれほど複雑ではありませんでした。
人が残る。
そして、一人ひとりが高い成果を出す。
考えてみれば、当たり前の話です。
人が辞めず、一人ひとりの生産性も高い。
そんな組織が弱いはずがありません。笑
ただ、
分かっていることと、
実際につくれることは別でした。
ゼロから組織を立ち上げ、6年間で約400名規模まで拡大し、最終的には大小6つ・約500名の組織を同時並行で管掌する中で、この2つこそ、強い組織をつくるうえで欠かせない条件だと、確信するようになりました。
それが、「定着率 × 1人あたりの生産性」です。
はじめまして、JINYOKUです。
今日は、分かっていたはずのことを、
なぜ実現するのがこれほど難しかったのか。
そして、それでも、この2つが大切だとなぜ確信するようになったのか。
うまくいった話だけではなく、かなり失敗した話も含めて、書いてみたいと思います。
最初から、強い組織をつくれたわけではない
ここまで数字だけを書くと、なんとなく順調に組織が大きくなったように見えるかもしれません。
全然そんなことはありません。笑
人が育たない。人が辞める。任せられない。自分がいないと回らない。思うように生産性が上がらない。
一通り、かなり派手に失敗しています。笑
特に最初の頃は、「成果を出すこと」と「良い組織をつくること」を、かなり近いものとして考えていました。
数字が出ている。仕事が回っている。自分も評価されている。
なら、うまくいっている。
そう思いやすかったんです。
でも、組織が大きくなるにつれて、それだけでは説明できないことが増えていきました。
成果は出ている。
でも、人が疲弊している。
数字は伸びている。
でも、優秀な人が辞めていく。
逆に、
こんな組織も見てきました。
人間関係は良い。
居心地もいい。
でも、成果が出ない。
どちらも、
私がつくりたい組織とは少し違いました。
「人が辞めない」だけでも足りない
組織づくりを考えるとき、「離職率を下げる」「エンゲージメントを高める」「心理的安全性をつくる」といった言葉をよく聞きます。
全部、大切です。
私自身、かなり重要だと思っています。
ただ、極端な話、
人が辞めなければ、それで良い組織なのか。
私は違うと思っています。
会社や組織である以上、当然、
成果を出す必要があります。
お互い仲がいい。働きやすい。誰も辞めない。
でも、成果が出ていない。
それでは、長期的にはその環境自体を守れません。
だから、
「人が残る」だけでは足りない。
一方で、逆も同じです。
「生産性が高い」だけでも足りない
1人あたりの生産性が高い。売上も高い。利益も出ている。数字だけを見れば、ものすごく強い組織に見えます。
でも、その裏側で人が次々と辞めているとしたら。
私は、それを本当に「生産性の高い組織」と呼んでいいのか、ずっと違和感がありました。
1人辞めれば、採用する。育成する。戦力化する。周囲がフォローする。マネージャーの時間も使う。
そして、ようやく育った頃にまた辞める。
数字には見えにくいですが、
組織としてはかなり大きなコストです。
何より、人が入れ替わり続ける組織では、知識も、経験も、文化も、なかなか積み上がりません。
だから、私が組織を見るうえで、改めて重要だと感じたのが、この2つでした。
$${\Large定着率}$$
と、
$${\Large1人あたりの生産性}$$
です。

これは、一般的な生産性の公式ではありません。私自身が、「本当に強い組織かどうか」を見るうえで大切にしてきた考え方です。
人が残る。そして、一人ひとりが高い成果を出す。
私は、この両方が高い組織を、「強い組織」だと考えています。
約400名になって、確信に変わったもの
もちろん、この状態を最初から実現できたわけではありません。むしろ、最初はかなり逆でした。
組織を立ち上げた初年度、離職率は25%を超えていました。その後も、最初の2年間は20%を超えていました。
決して、
「人が辞めない組織」ではありませんでした。
そこから、
人。仕組み。評価。育成。マネジメント。文化。
一つずつ見直していきました。
最初から、離職率をKPIにしていたわけでもありません。当初は、まず組織としての土台を整えることを優先していました。
そのうえで、組織がある程度成長してから、離職率も明確な指標として追うようになりました。
最終的には、離職率は6%台まで下がりました。
ある年度末の3月には、約400名規模の組織で、
離職者ゼロという状態にもなりました。
ただ、私が大切にしているのは、「辞めなくなったこと」だけではありません。
その間、生産性を犠牲にしたわけでもないからです。

当時いたのは、成果へのコミットメントが極めて強い、上場メガベンチャーです。
周囲にも、高い成果を求め、それを実際に出している人たちがたくさんいました。
その環境の中で、私がゼロから立ち上げ、約400名規模まで拡大した組織は、「人が辞めない」と「1人あたりの生産性が高い」を、極めて高い水準で両立する組織になりました。
正確な過去データを、すべて現在確認できるわけではありません。ただ、少なくとも私が定量で把握していた範囲では、社内でもトップクラスの1人あたり生産性と定着率を持つ組織になっていました。
社の根幹事業となり、そして、その組織が提供していたサービス自体も、売上において国内No.1と呼べるところまで成長しました。
もちろん、これは私一人でつくった成果ではありません。一緒に働いてくれたメンバーや、関わってくれた多くの人がいたからこその結果です。
400名もいたら、一人で何とかできるわけがありません。笑
そして、この規模になったからこそ、私自身のマネジメントに対する考え方も大きく変わっていきました。
強い組織は、「優秀な一人」に依存しない
昔の私は、自分が頑張れば、組織は良くなると思っていました。
判断する。教える。助ける。問題を解決する。誰よりも考える。
それで実際、短期的には成果が出ます。
だから、余計にやめられないんです。
でも、組織が大きくなればなるほど、それでは限界が来ます。
400人の相談に、一人で乗ることはできません。400人の仕事を、一人で確認することもできません。400人全員に、自分の価値観を直接伝え続けることもできません。
物理的に無理です。笑
そこで初めて、マネジメントとは、
「自分が成果を出すこと」ではなく、
「自分がいなくても成果が出る状態をつくること」
なのだと、本当の意味で理解するようになりました。
育成。任せ方。1on1。評価。採用。仕組み。文化。コミュニケーション。
どれか一つだけではありません。
全部がつながっています。
そして、一つひとつを変えていった結果として、
少しずつ、人が残りながら、成果も出る組織に変わっていきました。

どれか一つだけを変えて、すべてが良くなることはほとんどありません。
人と仕組みの両方を、つながったものとして見る。
これは、組織が大きくなるほど重要になっていきました。
正しいことを知っていても、組織は変わらない
組織が大きくなる中で、本も読みました。
マネジメントも、コーチングも、心理学も、組織開発も。使えそうなものは、かなり試しました。
全部自分で発明できるほど、
秀才ではありません。笑
ただ、現場で何度も思ったことがあります。
知っていることと、使えることは、全然違う。
たとえば、「1on1が大切です」と知っていても、
誰に、いつ、何を、どこまで聞くのか。
そこを間違えれば、
むしろ逆効果になることもあります。
「任せることが大事」と分かっていても、任せることと放置は違います。心理的安全性も、「何を言っても怒られない環境」というだけではありません。
結局、
理論を、
目の前の人と状況に合わせてどう使うのか。
そこまで考えないと、
組織はなかなか変わりません。
だから私は、正しい理論を探すこと以上に、
試して、失敗して、修正する。
それを大切にしてきました。
立場が変わっても、考えていることは変わらない
その後、立場は少し変わりました。会社の立ち上げに役員として参画し、設立初年度から黒字を達成。現在もその役割を担っています。
その傍ら、プライム企業からベンチャー、個人まで、人や組織に関する支援にも関わっています。
でも、考えていることはあまり変わっていません。
どうすれば、
人が、組織がその力を発揮できるのか。
どうすれば、
人が残りながら成果も出る組織になるのか。
そして、どうすれば、
それを一時的ではなく続けられるのか。
組織の中にいても、外から見ても、
結局、同じ問いに戻ってきます。
「強い組織の条件」と「つくり方」は、少し違う
ここで一つ、
分けて考えておきたいことがあります。
私は、
「強い組織の条件」には、かなり確信があります。
人が残る。そして、一人ひとりが高い成果を出す。
つまり、「定着率 × 1人あたりの生産性」です。
一方で、「強い組織のつくり方」に、
唯一の正解があるとは思っていません。
人が違う。会社が違う。事業が違う。
フェーズも違う。時代も変わる。
昨日うまくいったことが、明日もうまくいくとは限りません。そんなに簡単なら、私もあれだけ失敗していません。笑
だから、「この方法をやれば組織は変わる」とは言いたくありません。
ただ、12年間、延べ2,000名以上のマネジメントに携わり、組織をゼロからつくり、大きくし、何度も失敗してきた中で、一つだけ、確信が強くなったことがあります。
人が残ることと、成果を出すこと、
どちらかだけを選ぶ必要はない。
ということです。
人が残る。一人ひとりが力を発揮する。
その結果として、組織が成果を出す。
どれか一つを犠牲にするのではなく、
全部を少しずつ良くしていく。
派手ではありません。時間もかかります。
かなり面倒です。笑
でも、組織づくりって、
本来そういうものなんじゃないかと思っています。
この問いの続きを、「目覚めよマネージャー」で書いています
ここまで書いてきたことは、ある意味では、私のマネジメントの土台です。
でも、「定着率 × 1人あたりの生産性」と言うだけなら簡単です。難しいのは、
では、それをどう実現するのか。
でした。
なぜ、任せているつもりなのに、自分がいないと回らなくなるのか。なぜ、部下のためにアドバイスしているのに、人が育たなくなるのか。なぜ、真面目なマネージャーほど、一人で抱えるようになるのか。
そういう、マネージャーという役割の中で生まれる“言葉にならない違和感”を、自分自身の失敗や経験も含めて書いているのが、「目覚めよマネージャー」です。
▶ 目覚めよマネージャー
シリーズを読む
そして、「なぜ、そうなるのか」だけではなく、「では、現場でどうするのか」まで落としたものが、「目覚めよマネージャー 実践編」です。
1on1、育成、任せ方、キャリア面談、評価、組織づくり。理論やフレームワークと、私自身が現場で失敗し、試し、修正してきた経験を掛け合わせながら、具体的な実践まで書いていきます。一般論を並べただけの記事にはしません。
目指しているのは、
読んだ翌日に、一つでも現場で使えること。
です。
▶ 目覚めよマネージャー 実践編
シリーズを読む
こちらは、8月25日(火)から少しずつ公開していく予定です。
→アップしました、ぜひご覧ください。
二つで扱うことは違います。でも、根っこにある問いは同じです。
どうすれば、人が残りながら、高い成果を出せるのか。
この問いを考え続けるために書いています。
ただ、私が違和感を持つのは、マネジメントのことだけではありません。
仕事や組織には、いつの間にか「当たり前」になっていることがたくさんあります。でも、その中には、ときどき小さな「ん?」がある。
そんな当たり前を疑い、見過ごされがちな違和感を拾うのが、「違和感に目覚めよ」です。
▶違和感に目覚めよ
シリーズを読む
そして、仕事も、キャリアも、マネジメントも、結局は人生の一部です。
自分の人生をどう生きるのか。
何を選び、何を大切にするのか。
そんな、もう少し大きな「人生」というテーマについて書いたのが、全13話のシリーズ「人生を、自分に戻す。」です。
▶ 人生を、自分に戻す。
シリーズを読む
書いていることは、それぞれ違います。
でも、私の中では全部つながっています。
人が、どう生きるのか。
人と、どう向き合うのか。
たぶん私は、ずっとそのことを考えているのだと思います。その続きを、これからさらに深く、具体的に書いていきます。
JINYOKUのnoteは、ここからが本番です。
なお、内容だけでなく、文字数も本番になります。
何卒ご容赦ください。笑
強い組織は、自分たちでつくる
ここまで書いてきた考え方を、誰かにそのまま正解として受け取ってほしいわけではありません。
私が何年もかけて、自分なりの答えをつくってきたように、読んでくださる方にも、自分なりのマネジメントをつくってほしいと思っています。
マネジメントの最高の型は、たぶん、誰かの本の中にはありません。フレームワークの中にもありません。
いろいろなものを学ぶ。試す。失敗する。修正する。
そして、自分と、目の前にいる人たちに合わせて変えていく。
その先に、自分たちなりの「強い組織」ができていくのだと思います。
私自身、400名の組織をゼロからつくる中で、
「強い組織」に必要なものへの確信は、少しずつ強くなっていきました。
でも、そのつくり方に、完成形があるとは思っていません。
人も変わる。組織も変わる。自分自身も変わる。
だから、これからも考え続けます。
人が残り、一人ひとりが力を発揮し、高い成果を出し続けられる組織とは何なのか。
私も、まだその途中です。
JINYOKU
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