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八月の京都は静かであってほしい
最高気温38.8度を記録した日の京都を歩いた記事を読んだ。清水坂も清水寺も渡月橋も、これまでに見たことがないほど人が少なかったという。ただし、歩いている人の大半は外国人観光客だった。京都まで来た以上、暑くても予定した場所を回ろうとする気持ちは分かる。しかし、観光が楽しみではなく、炎天下で遂行する任務になってしまっては少し寂しい。
昨年、2025年の夏にも、京都の観光客が減ったように感じた時期があった。「7月5日に日本で大災害が起きる」という根拠のない噂が香港や台湾などで広がり、訪日旅行の延期や取りやめ、航空便の減便まで起きたのは事実である。ただ、京都市の年間統計を見ると、2025年の外国人観光客は過去最高だった。京都全体から観光客が消えたのではなく、国や地域、時期、観光地によって濃淡があったのだろう。
今年、人が少なく見える理由は、地震の噂ではなく、まずこの暑さではないか。38度を超える京都の街は、散策を楽しむ場所というより、日陰と冷房を探して移動する場所になる。鴨川の風も、さすがに天然の冷房とは言いにくい。
七月は祇園祭があり、京都が一年で最も華やぐ月である。どうあれ、その次に来る八月は、少し静かであってほしい。五山の送り火を見上げ、帰ってきた祖先を迎え、そして見送る。観光の賑わいも大切だが、京都に暮らす人が亡き人とゆっくり語り合える時間もまた、この町の大切な風景である。
