父の日ギフトに見る、お父さんの立場の変化
その昔、父の日のプレゼントの代名詞と言えばネクタイでした。
私がネクタイメーカーにて営業をしていた当時、6月に入ると父の日商戦が始まり、休みの土日も百貨店の店頭へ販売応援に行きました。
そのくらいネクタイがよく売れていました。
家族で来店され、紳士雑貨や財布、ベルトなどを一通り見て、ネクタイに戻り選んでいく。
他の紳士雑貨に比べて、女性も選ぶのが楽しいアイテムということもありました。
環境の変化でギフトも変わる
その後、クールビズが定着し、夏にネクタイを締めないお父さんも増え、父の日のギフトも変わっていきます。
まず肌着のプレゼントが増えました。
普段は着ないような少し高級でギフト映えするパッケージに入ったボクサーパンツセット。
そして休日着やスーパークールビズ対応の仕事着にできるポロシャツへ、と年々違うものが流行るものの、ネクタイのギフトは徐々に減っていきました。
最近では衣料品だけでなく、ガジェット系なども人気のようです。
売れているギフトを見れば生活環境の変化がわかりますね。
本当は予算の変化?
ところが、当時、うっすらみんなが思っていたことは、
「いや、待てよ、お父さんにかける予算が年々下がっていないか??」
実際、業界ではそんな話もありました。ネクタイが父の日ギフトから外れていった理由のひとつは、予算が1万円を割ってきたから。
父の日のプレゼントの予算が1万円だったのが、8千円になり、5千円になっていく。
そうなると、ネクタイ売り場では予算が合わず、必然的に隣の肌着売り場、カジュアル売り場へ移っていきます。
冷静に見ると、少しずつお父さんの威厳がカジュアルになり、単価が下がっている・・・
そして食事ブームも
プレゼントは「モノから体験へ」が流行った時期もありました。
「父の日に家族そろって、外食しよう」
素敵なことです。家族で食事をする時間は、何よりの贈り物かもしれません。
ただし家庭によっては、主役であるはずのお父さんが店を探し、予約を取り、車を出し、最後に会計までしている可能性があります。
もはや父が感謝される日なのか、普段より家族サービスを頑張らなくてはいけない日なのか、判定が難しいところです。
もちろん、贈り物は金額ではありません。気持ちが大切です。
それは本当にそうです。
ただ、毎年父の日を売場で見ていた身としては、ギフトの変化は単なる価値観の変化だけではなく、予算の変化やお父さんの立場の変化でもあったように思います。
父の日は時代とともに変わる
それでも、家族が自分のために何かを考えてくれる。
その事実だけで、たぶんお父さんは嬉しいのだと思います。
さて、今年の父の日は、どんな日になるでしょうか??
