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いま一番応援したい人は、だれですか

年始に今年の一文字として「余白」の「余」を書いた。仕事を少しセーブしたおかげでコーチングの国際資格取得に向けた学びを始めたり、ホームページやポッドキャストを開設したりと、新しい動きを増やしてこれた。

ただ、結局新しいことを始めたせいで「本当の意味での何もしない余白」はあまり取れていないかもしれないなと、2026年の前半を振り返り、いま後半をどうにかこうにか過ごしている。

前半のハイライトのひとつとして、7月に、私の活動拠点である三鷹で経営者おふたり(川井社長と佐藤社長)が運営されているYouTube番組「ミタカ会議」にゲスト出演参加させてもらった。

「人が変われば組織が変わるのか」というテーマのもと、20個ほどの質問をご用意いただきつつ、ざっくばらんにトーク。楽しくなってしまい、用意していた質問はどこへやら、話があっちへ行ったりこっちへ行ったり。話しているわたしは楽しかったけれど、視聴者は楽しんでくれるかしら。

実は、企画してくださった川井さんが用意してくれた台本の最後のクロージングに、こんな問いが書かれていました。

「疋野さんが今、一番応援したい人はどんな人ですか?」

撮影の現場では時間の関係もあってきちんとお答えできなかったこの問いが、ずっと心に残っており。手元の台本にも自分の回答の書き込みはありません。そこで、改めて自分自身に向き合いながら、この問いをひもといてみました。


1.研修講師という立場から

「一番応援したい人は、どんな人か」

そう自分に問いかけたとき、まず頭に浮かんだのは、いま、自分のメインの仕事となっている研修講師としての景色。講師として受講者の皆さんと向き合う中で、パッと真っ先に思い浮かぶのは「新入社員(新卒)」の人たち。まぁ時期的なものもあるかも。

彼らには単純に大きなのびしろがある。社会人としての経験を積む前であり、これから組織でのやり方や世代の離れた人とのやり取り、顧客への価値提供といった、学生時代とは全く異なる刺激的な環境に入っていく。

20年以上社会人をやってきた自分から何か気づきのきっかけを提供できたら、彼らのこれからの長い人生や働き方に大きなインパクトを与えられるかもしれない。自分が伝えたことによって生まれる変化や広がりに、私自身が期待してしまう。

講師の立場でもうひとつ、ぐっと前のめりになるのは「マネジメント層(中間管理職)」の皆さん。

自分自身が会社員時代にマネージャーの役職までを経験したからこそ、(そして今も外協の立場ながらプロジェクトマネージャーとしてメンバーとやりとりする機会は少なくない)彼らの悩みに共感できる。上からは成果やアイデアを求められ、下からは教育を期待され、横の部署とも連携しなければならない。板挟みになりながら組織を動かす大変さは、痛いほどよく分かる、つもり。

「大変だよね、どうしていこうか」と、同じ目線で寄り添い、一緒に考えていきたい存在が、管理職層。

2.仕事の枠を超えて

「応援したい」という問いを仕事の枠組みから少し広げて「誰に、何のために貢献したいのか」と考えていくと、また違った輪郭が見えてくる。

応援や貢献というキーワードで最初に思い浮かぶのは、妻や子ども、親といった自分の家族。次に、大学時代の古くからの友人、地元の数少ない友だち、あるいは最近一緒に学んでいるコーチングの仲間たちといった身近な面々。

実は独立したとき、ノートの見えやすい場所に自分のスローガンとして書いた言葉がありました。(今もノートにはさんでる)

「自分と、自分の大切な人を笑顔にする」

会社員時代、どうしても「会社や組織」に対してどう貢献するかを優先するあまり、自分自身をないがしろにしたり、家族への時間や気持ちの使い方が後回しになってしまったりすることがあった。「こりゃあかんな」と感じたのが、独立を決意したひとつのきっかけ。

世の中には「社会全体を変える」とか「次世代のために」といった広い視野や高い視座を持って活動されている素晴らしい方々もいる、ここ1〜2年はNGOのご支援をさせていただいていて、そうしたトップの方とお会いすると、その視座の高さや意志に感服する。

私はそうはなれず。個人の考え方の変遷としては、自分自身のお金や地位のため、何者かになりたかった20代30代を経て、いまは、自分と身近な大切な人をしっかり大切にしたいという、超視野の狭い自分本位な思考に行き着きました。ひとそれぞれですね。

3.応援したくなる相手の共通点

では、身近な人であれ、研修の受講者であれ、自分が「心から応援したい」「一緒に何かをしたい」と感じる人にはどんな共通点があるのだろうか。

そう考えて行き着いたキーワードは「面白がってくれるひと」「楽しそうなひと」。

自分の投げかけに対して冷めていたり、心理的安全性がない状態で最初から批判的だったりすると、私の豆腐メンタルは「うっ」となってしまい、自己開示ができなくなってしまう。

それに対して、こちらが提示したテーマや状況に対して、面白がりながら楽しんで反応してくれるひと。グループワークや全体発表で自分の言葉で素直に語ってくれるひと。そんなひととは、私自身も安心して場を盛り上げていくことができる。気持ちが乗ってくる。

10年ほど前、あるコンサルタントの方が書いた本に「コンサルに入ってきた若手に一番必要なのは、スキルやロジカルシンキングよりもまずチャーム(愛嬌)だ」と書かれていて、深く納得した記憶がある。

ここでいうチャームとは、媚びを売ることではなく、素直さであり、すぐ行動することであり、物事を楽しもうとする姿勢のことを指す。愛嬌こそが、人間関係や仕事をスムーズに動かす。私にとって、その「チャーム」にしっくりくる言葉が「面白がる」という単語。

4.「面白がる」って大事

まず、大切なひとは大切にする。
そこから広げるとき、面白がるひとと一緒に協働したくなる。

これは何も自分に限らず、多くの人に当てはまるはず。であるならば、主従逆転して、わたし自身も応援してもらうため(というとひとに頼りにすぎのように聞こえるが)、面白がることを忘れちゃいけない。

議論をしたり、対象に深く入り込むと、ぐっと思い詰めてユーモアを忘れることがままある。ましてや、思わぬピンチや「思ってたんと違う」という事態に直面したとき。いかにそれを面白がれるか。自分自身もそうした姿勢を大切にしながら、一緒に面白がって歩んでいける人を応援していきたいと思います。

人生の中盤に差し掛かった今、残りの人生の時間やエネルギーを「誰のために、何のために使いたいか」を問い直すことは、そのまま、今後の生き方の道標(みちしるべ)をつくることにもつながる。

そんな問いを場に残してくれた川井社長、ありがとうございます!

さて。
あなたが、いま一番応援したいひとは、だれですか?

追伸:Spotifyのポッドキャスト番組で、しゃべりました


本日の内容は、Spotifyで配信している私のポッドキャスト番組「B面 さて、これからどうしましょ。」でもしゃべっています。(内容は書きながらちょっと変えたり。やっぱり書くほうが好き笑)

読むより聴くほうがラク、というかたも、そうでないかたも、ぜひどうぞ。

一番応援したい人はだれですか?#5


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