値上げが怖いと考える経営者の皆様へ
こんにちは。
SYNCA合同会計事務所 共同代表の平川です。
私たちの身の回りでは、この数年でさまざまな商品やサービスの価格が上昇しています。
一方で、自社の商品やサービスの価格を見直そうと思っても、「お客様が離れてしまうのではないか」と不安になり、なかなか一歩を踏み出せない経営者の方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな価格改定に悩む経営者の皆さまに、ぜひ読んでいただきたい内容です。
◆この記事を読んでほしい人
・値上げを検討している経営者
・原価や人件費の上昇に悩んでいる方
・売上はあるのに利益が残らないと感じている方
◆この記事を読んでわかること
・値上げを「価格」ではなく「利益」の視点で考える理由
・値上げしないことが経営に与える影響
・価格改定を判断する際の考え方
「お客様が離れる」より、先に考えるべきこと
「値上げをしたら、お客様が離れてしまうのではないか。」
価格改定のご相談をいただくと、多くの経営者が最初に口にされる言葉です。
もちろん、その可能性はゼロではありません。
しかし、本当に考えるべきなのは、
「何社のお客様が離れるか」ではなく、「値上げをしないことで会社が失う利益はいくらなのか」
ということです。
経営判断は、不安ではなく数字で行うべきです。
売上が変わらなくても、利益は減っていく
例えば、年間売上1億円、粗利益率30%の会社があるとします。
原価や外注費の上昇によって粗利益率が27%になるだけで、粗利益は3,000万円から2,700万円へ。売上は変わらなくても、年間300万円の利益が失われます。
さらに人件費やシステム利用料、光熱費なども上昇すれば、その影響はさらに大きくなります。
「売上は維持できているから大丈夫。」
その考え方が、会社の体力を少しずつ奪っていきます。
5%値上げして、5%のお客様が離れたら失敗でしょうか
例えば、5%の価格改定を行い、その結果として売上の5%分のお客様が離れたとします。
一見すると、「売上は元に戻っただけ」と感じるかもしれません。
しかし、取引が減れば、その分の仕入れや外注費、対応時間などのコストも減ります。
つまり、売上が同じでも、利益は改善している可能性があるのです。
反対に、価格を据え置いたまま原価だけが上がれば、忙しいのに利益が残らない会社になってしまいます。
値上げできない会社が失うもの
利益が減り続ける会社は、どこかで支出を削らなければなりません。
そのとき真っ先に削られやすいのは、
社員の昇給
採用や教育
設備投資
サービス改善
など、会社の未来をつくる投資です。
値上げをしないことは、お客様への優しさではありません。
将来の品質やサービスを少しずつ削ってしまう選択になることもあります。
「価格」ではなく「利益」を見て判断する
価格改定は、「いくら上げるか」を考える前に、
「今の価格で、本当に必要な利益が確保できているか」
を確認することが大切です。
もし利益が足りないのであれば、
値上げをする
原価を下げる
業務を効率化する
商品やサービスを見直す
など、何かを変えなければ、利益は改善しません。
何も変えずに利益だけを維持することはできないのです。
最後に
価格転嫁は、利益を増やすためだけのものではありません。
社員へ適切に還元し、サービスの品質を維持し、お客様へ価値を提供し続けるための経営判断です。
「お客様が離れたらどうしよう」と考える前に、
「今の価格で、会社は5年後も同じ品質を提供できるだろうか。」
ぜひ、その問いを自社の数字と向き合いながら考えてみていただけたらと思います。
SYNCA合同会計事務所では、税に関する相談、経営相談、資金調達のご支援なども行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
