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「一人飲み」と「グループ飲み」は、まったく別の文化だ。1万軒飲み歩いたライターが考える、孤独ではないソロ活の流儀

「一人飲み」と「グループ飲み」。この二つは、同じ居酒屋という空間にいながら、流れている時間も、求められる作法も、まったく異なる文化です。 例えるなら、一人旅と修学旅行くらいの違いでしょうか。

「一人飲み」は、誰かと予定が合わないときの代用品ではありません。自分のペースで、その店の空気や味、時間を丸ごと味わう。そんな、贅沢な大人の遊びです。

「会話」ではなく「空気」に没入する

これまで、酒場で数多の人々と向き合ってきました。そこで感じた、決定的な違いがあります。

一つは、気心の知れた仲間たちとテーブルを囲み、会話の潤滑油としてお酒を消費する「グループ飲み」。ここにあるのは「関係性の消費」です。

そしてもう一つが、一人で未知の暖簾をくぐり、その店の情緒や土地の風土、店が醸し出す空気そのものを肴にする「一人飲み」。ここにあるのは「空間への没入」です。

このコラムを読んでくださっているあなたが、グループ飲みの延長線上でしか居酒屋を知らないのであれば、まだ、酒場の本当の扉を開けられていないかも?

数人で卓を囲めば、どうしても意識は内側、つまり仲間との会話に向きます。学生時代、ファミレスのドリンクバーでダラダラしていた頃と本質は変わりません。話題を提供し、空気を読み、場を盛り上げることにリソースを割いてしまう。それでは、店の雰囲気や味、ロケーションを楽しむ余裕など生まれません。店を変えても、結局残る記憶は「あの時、誰々が言った話題」ばかり。これでは、どこの店に行こうが変わらないのです。

チェーン居酒屋を卒業しなければ見えない世界があります。その極みはオーセンティックバーですが、その手前。町の個人経営の酒場もまた、大人数のどんちゃん騒ぎは無粋とされる場所です。大人の社交場なんて洒落たものではない。ただ静かに、時間と空間を共有する場所。

ここにグループ飲みの作法を持ち込むと、店の空気が乱れてしまいます。例えば、一度に大量の注文をする行為。厨房のキャパシティを想像せず、あれもこれもと頼むのは野暮というもの。また、大衆酒場で料理ごとに「取り皿ください」と言うのも避けたいところ。洗い場の手間を想像して飲むのも、酒場という文化を楽しむコツです。いいじゃないですか、多少イカフライのソースがポテトサラダについたって。むしろポテサラにはウスターソースですよ。

カウンターという特等席での振る舞い

では、一人飲みで恥ずかしくない所作とは。お作法やマナーといった堅苦しいものではなく、あくまで「こうすれば馴染める」というコツです。

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