危険過ぎた源流釣行と恐怖の横着
恐怖の林道
今日は今シーズン初のまともなソロ源流釣りだ。
車止めから林道を歩く。
今回は今まで入ったことのない未開の地、緊張と期待が入り混じりテンションMAXで歩き始める。
出発後すぐに日焼け止めを塗り忘れたことに気がつく。
『これは肌荒れるなー』と少しテンションが下がる。
踏み跡を辿り昔山道だった道を谷沿いに進む。
この源流は谷が険しく所々に角の立った大小の落石が林道上に散乱している。
雪もたくさん積もるため融雪に伴う雪崩により巨木がなぎたおされ行く手を塞いでいたりもする。
落石が来ないかヒヤヒヤしながら歩かなければいけないため入渓前にも関わらず緊張する。
恐怖の廃道
初めの滝こ高巻きを境に、踏み跡は獣道くらいの頼りないものになり、踏み外したら谷まで滑落間違いなしな状態となる。
かろうじて足一つ分体重をかけることのできる際どい危険なトラバースも数カ所あり緊張が走る。
フェルト底のシューズは滑りやすく、今思えば横着せずに持参したチェーンスパイクを履くべきだった、反省。
そんな感じの道だからしょっちゅうGPSをチェックしておかないとすぐに方向を見失う。
じっさい途中から道を逸れては合流しを繰り返しながら進んでいた。
小谷沿いに道があるため好ポイントを見つけては竿を振る。
険しい高巻きを越えてきただけあり魚影はそこそこ濃い。
あっという間に1匹目を釣り上げる。
腹が黄色かかった良型の美しい天然イワナをゲット。
綺麗過ぎてしばらく見惚れてしまった。


沢沿いを釣り上がっていると堰堤に突き当たる。
そこでも良型の綺麗な岩魚をゲット。
その堰堤を高巻きさらに上へ上へと釣り上がる。
好ポイントを見つけ竿を振る。
ここでも良型の綺麗な岩魚をゲット。
寄り道し過ぎたので写真は撮らずにすぐにリリース。
ヒットルアーは(もののふ50s)、最近絶好調のルアーです。
恐怖の尾根
そこから尾根に登り詰め再び廃道に合流する。
ここからいよいよ目指す谷沿いの道になる。
谷の源流上部まで釣り上がるため尾根伝いにさらに奥を目指す。
はずだったが前方を見渡すと道は崩落しており危険なトラバースが連続している。
下は谷までいかつい傾斜で滑落したら死ぬか大怪我だ。
ここで滑落する可能性はおそらく500回に1回くらいだろう。
上下から巻けないか探ってみたが不可能っぽい。
そりゃそうだ、ここが1番マシな場所だから山道として成立したに決まっている。
いったん持参したオニギリを麦茶で流し込み気持ちと空腹を落ち付かせる。
いろいろ思考を巡らせこれ以上廃道を進むことを諦めることに。
その代わり少し手前の少し傾斜が緩やかになっている地点から谷底に降ることに。
谷底で八方塞がりになったらまたここに登り詰めて再び廃道を通って戻ればいい。
恐怖の高巻
谷底への下降は思ったよりサクサク進みあっという間に降ることができた。
降るとすぐに立派なゴルジュが。
雪代による水流が強すぎてルアーを泳がせるラインが少ないなか、なんとか岩魚1匹ゲット。
ここも、もののふで。
水量が少ないときは流れ込みまで泳いで行ってさらに遡上することができそうなゴルジュだ。
高巻きできるポイントがないか少し沢を戻ってみると木の根などを手がかりに這って登れそうな場所が。
とはいえほとんど崖であることに変わりはない。
なんとか崖の上まで這い上がり藪漕ぎをしながら降りれそうな場所を探すが見つからず。
これ以上進むのは危険と判断し戻ることに。
GPSと記憶を頼りに這い上がりポイントを再発見。
藪の中は景色がどこも同じに見えてしまうためGPSがないと一気に八方塞がりとなり詰んでしまう。
竿を畳むか迷ったものの片手に竿を持って降ることに。
今考えるとアホな横着をしたなと思います。
竿をしまえばもっと楽に速く安全に降れたはずなのに、焦り、不安、怠惰からなぜか不合理な行動をとってしまった笑
そのせいで降りるのに苦労しました。
恐怖の横着
なんとか崖を降りきり元の場所へ。
そこから少し下流に行くと小滝がありそこを巻くと退渓ポイントまで釣り下がることができる。
結果、その小滝を左から巻けることができ、これであの忌々しい廃道に戻らなくてよくなって一安心。
その小滝の脇のトロ場にEden50hを放り込むとさっそくバイト。
良型のキレイな岩魚をゲットしました。
こちらも黄色い斑点が美しい天然イワナ。
いやー、惚れ惚れする美しさだ。

やはり源流の天然イワナは格別ですね。
そこからは歩きやすい沢を降るだけ。
別の谷との合理地点の開けた場所(退渓ポイント)でランチタイム。
ここまで来れば熊に出会わない限りは勝ち確です。
ザックと竿を降ろし春の陽気を全身に感じながらの深呼吸。
そして、ふと足元を見ると『横たわる竿』が目に入る。
『これ踏みつけそうで怖いなー』と思い、そのまま脇の立木に立て掛けると思いきや、、、。
その時の自分は『疲れてるし面倒くさいし早く何か食べたい』と思い、その危険な状態を放置することに笑
この横着が悲劇を引き起こす。
石に腰掛けオニギリとチョコパイを食べる。
人工物のない美しい自然の中で食べるオニギリは美味い!
満足した後、岩魚の影を探しに目の前の清流を前にウロウロしていると、『バキッ!!』という嫌な音が。
恐る恐る目を下に向けるとそこには無残にも真っ二つに折れた『竿』がありました。
かなりお気に入りの竿だったのでショックは大きく、まだ引きずっております。
今考えてもなぜ竿を安全な場所に移動させる、みたいな簡単な行動を取らなかったのか疑問。
さいごに
登山にしろ源流釣りにしろ、自然を相手にする遊びというのはそれなりの危険が伴う。
欲望や好奇心と危険やリスクを天秤にかけながらその場その場で適切な判断をしなければ、遅かれ早かれ自分の判断ミスのツケを払うことになる。
今回の私のように大切な竿を失うし、運が悪ければ死ぬ。
体力や技術力、知力、想像力が高ければ危険を補完することができる。
危険を補完することができればどんどん難しいことに挑戦できるようになる。
極端な話、欲望が小さく能力が高ければかなり低リスクな自然遊びを楽しむことができる。
だからこそ『自分が欲しいモノが何かを明確にすること』、『自分の能力を客観的に観ること』それらをベースに行動計画を立てることが自然遊びではめちゃくちゃ大切だと思っている。
自分が欲しくないモノのためにリスクや労力をかけるほどバカバカしいことはないし、自分の能力を把握していないと適切な目標を設定することもできない。
ソロだろうがグループだろうが考えなしに欲望と衝動任せに行動するのは危険だ。
ただ、難しいのはリスクを排除し過ぎた予定調和で安全なアウトドアには面白味もワクワクもないということだ。
そういう老後の盆栽弄りのようなアウトドアを良いと思えるほど私は達観できていない。
本当に価値のあるモノは簡単には手に入らないし、人は体験しなければ結局のところ本当のことは解らないとも思っている。
だからこそ私は今後も、観たことのない景色、出会ったことのない魚を求め新しいことに挑戦していこうと思っている。
