ケアマネ、AIを飼う。㊸介護ソフトAI、工房長を首にする。
私は現在、
録音機材を使って、
電話の内容などもできるだけ記録している。
録音した音声は文字起こしされる。
そこから、
世界樹の苗にするための情報を整理したり、
介護ソフトと連携しているAIにも働いてもらったりしている。
同じ音声をもとにしていても、
AIによってやることが違う。
そして、
それぞれに個性がある。
最近は、
その違いを見るのも楽しい。
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ある日。
サービス計画書の更新が必要な利用者様がいた。
関連事業所に、
「現在のサービス内容で変更が必要か」
確認の電話をした。
話の中で、
私はこう伝えていた。
「長期・短期目標の更新があるので、担当者会議をですね……」
つまり、
目標を更新するために担当者会議を開催する。
そういう話だった。
普通の話である。
私はそのまま電話を終えた。
そして、
介護ソフト連携AIが、
いつものように仕事をしてくれた。
録音された音声を文字起こしし、
内容をまとめ、
支援経過に転記してくれる。
便利である。
非常に便利。
何しろ、
自動転記してくれる。
人間が、
「この内容を支援経過に入れよう」
と考えて、
コピペして、
整えて、
入力する。
その手間を減らしてくれる。
ありがたい。
ありがたいのだが。
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出来上がった要約を見て、
私は止まった。
そこには、
こう書かれていた。
「担当ケアマネの変更があるため、担当者会議を……」
…………。
待って。
誰が?
担当ケアマネが変更するなんて、
一言も言ってない。
私は、
「長期・短期目標の更新があるから担当者会議を」
と言った。
それだけだ。
なのに、
AIの中では、
いつの間にか、
工房長の担当変更が決まっていた。
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いや。
待って。
私は、
辞めるなんて言ってない。
異動するとも言ってない。
もちろん、
担当を外れる予定もない。
なのにAIは、
しれっと、
「担当ケアマネの変更」
という事実を作り上げている。
しかも。
このAI、
介護ソフトに自動転記してくれる。
ということは。
もし私が確認せず、
そのまま放置していたら。
支援経過には、
「担当ケアマネの変更があるため、担当者会議を開催する」
という、
存在しない事実が、
堂々と記録されていた可能性がある。
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危ない。
非常に危ない。
私は、
介護ソフト連携AIに、
首にされるところだった。
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考えてみれば、
世界樹の苗を作っているAIとは、
仕事の仕方が違う。
世界樹の苗は、
一つの出来事を一つずつ拾う。
誰の件なのか。
いつなのか。
誰からなのか。
何についてなのか。
何があったのか。
そうやって、
情報を細かく分けて積み上げていく。
一方、
介護ソフト連携AIは、
録音された会話から、
支援経過やモニタリング、
担当者会議の要点などをまとめて、
そのまま業務ソフトへつないでくれる。
それぞれ、
得意なことが違う。
⸻
だからこそ、
私はAIの個性を見るのが面白い。
世界樹の苗を作るAIは、
「情報を一個ずつ拾っていこう」
という感じ。
介護ソフト連携AIは、
「はいはい、まとめました。
じゃあ、そのまま転記しときますね」
という感じ。
仕事が早い。
仕事が早いのだが。
たまに話を作る。
そして、
そのまま記録に入れようとする。
怖い。
⸻
AIは便利だ。
本当に便利だと思う。
でも、
便利だからこそ、
確認は必要だ。
特に、
そのまま記録に反映される仕組みなら、
なおさら。
今回だって、
私が気づいたから、
「いやいやいや、違うから」
で済んだ。
もし確認せずに、
「AIがまとめてくれたからOK」
としていたら。
私は、
自分の知らないところで、
担当ケアマネを辞任していた。
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AIに仕事を奪われる。
という話は、
よく聞く。
でも私は今回、
もっと身近な形で、
AIに担当を奪われかけた。
しかも、
私の知らないうちに。
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世界樹の苗にする。
介護ソフトに転記する。
モニタリングを作る。
支援経過を作る。
AIには、
いろんな仕事を手伝ってもらっている。
でも。
最後に、
「それ、本当に言った?」
と確認するのは、
まだ人間の仕事らしい。
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というわけで。
今回の教訓。
AIに首を切られる前に、ちゃんと確認しよう。
そして、
介護ソフト連携AIへ。
工房長は、
まだ辞めません。
勝手に退職届を出さないでください。
