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【大器は晩成す】


【大器は晩成す】

『老子』(訳者 福永光司 ちくま学芸文庫)

の中に、こう書いてあります。

「すぐれた人間は道を聞くと、

努力してそれを実践するが、

中等の人間は道を聞くと、

半信半疑の態度をとり、

下等な人間は道を聞くと、

てんで馬鹿にして笑いとばす。

彼らに笑いとばされるぐらいでなければ、

本当の真理とはいえないのだ。

だから、こんな格言がある。

本当に明らかな道は、

一見すると暗いように見え、

前に進む道は、

一見、後ろに退くように見え、

平らかな道は、

一見、平らかでないように見える。

最上の徳は谷間のように虚しく見え、

真に潔白なものは、

一見、うすよごれて見え、

真に広大な徳は、

一見、足りないように見える。

確固不抜の徳は、

一見、かりそめのもののように見え、

真に質実な徳は、

一見、無節操なように見え、

この上なく大きな四角は、

隅(かど)というものをもたない。

真に偉大な人物は人よりも大成するのが晩(おそ)く、

この上なく大きな音は、

かえってその声が耳にかそけく、

至大の象(かたち)をもつものは、

かえってその形が目にうつらない。

そして、これらの言葉からも知られるように、

道は隠れて形が見えず、

人間の言葉では名づけようのないものなのだ。

げにも道こそが万物に惜しみなく施して、

施しつつまた、

その存在を全うさせる。」(161頁〜163頁)

この言説の要諦は何でしょうか?

Gemini様、ご教示をお願い致します。

《この言説の要諦は、

「真理(道)は日常的な人間の常識や価値観とは真逆の姿(逆説)をしており、限定された言葉や形を超越している」

という点にあります。

『老子』第四十一章にあたるこの一節は、

道(タオ)の本質と、

それに対する人間の反応を象徴的に表しています。

主なポイントは以下の3点です。

・認識の逆説(パラドックス)

本当に優れたもの(明るさ、前進、大徳、完成など)は、

人間の表面的な感覚や世俗の尺度から見ると、

一見すると不完全で、

愚かで、

劣っているかのように映ります。

したがって、

世間(下等な人間)から理解されず笑われることこそが、

それが本物の真理である証拠となります。

・形なきものの無限性

「大器晩成」

「大音希声」

「大象無形」

に表されるように、

真の偉大さや至高の存在は、

人間の限られた感性や枠組み(四角の角、耳で聞く音、目で見る形)には収まりきりません。

・無名なるものの万物生成作用

道は目に見えず、

言葉で名付けることもできませんが、

すべてを陰で支え、

万物をありのままに生かし育む根源的な働きを担っています。

表層的な見栄えや他者の評価にとらわれず、

一見すると「否定的な姿」の中に隠された根源的な真理を見出そうとする、

老子独自の深い洞察が示されています。》

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