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多肉・珍奇植物ブームはこの先どうなる?|変化する園芸の価値観

みなさんは何か植物を育てていますか?

2020年から2022年頃にかけて、コロナ禍による巣ごもりブームもあいまって、植物を育てる人が増えたというのが話題になりました。

多肉植物などのブームは品種やターゲットを変えながら数年おきに何度も起きていて、この2022年~2024年頃は、特に「レア植物&人気の植物=投資価値がある」として、植物の価格上昇を期待した購入や、増殖・販売を目的とした動きが増えた時期だったように思います。

ユーフォルビア・カプサインテマリエンシス
(ワシントン条約CITES I類の希少な品種)

「子株をとれば元が取れる」
「種をとって販売すれば収益が生まれる」

という事で、植物は資産のひとつとして扱う人が増えました。

特にアガベやビカクシダ界隈ですごく多かった印象だけど、2026年になってその流れも落ち着いてきたように感じるんですよね。

海外の園芸系のスレッドでも「レア植物市場が崩壊したね」っていうトピックで盛り上がってるものがあったりで、日本だけじゃなく海外でも共通の話題のようでちょっと面白い。

植物の楽しみ方や園芸への関わり方は人それぞれ。

自分は、そもそも自然にあったものを人の手を加えて楽しむのが園芸だと思ってるので、園芸という趣味が持続可能で、環境への影響が配慮されている限りは、色んな楽しみ方があっていい。

価格が上がり、多くの人が植物に注目し、そして今、少しずつ落ち着きを見せている。

この流れの中で、植物には何が残っていくのか。

そんなことを考えながら、最近感じていることを書いてみようと思います。


植物の市場価値は早いスピードで変化しやすい

植物って、骨とう品やトレカと違って、「希少性に価値があるけど増やせる」という特徴があるんですよね。

2016年くらいに起きた多肉ブームでは、中国からのバイヤーが沢山日本の人気品種を購入し、組織培養(メリクロン)で大量に増やして価格が崩壊しました。(*参考:日経新聞)

でも、2020年から現在にかけては、ヤフオクやメルカリなどでCtoC市場が拡大。個人で栽培する人も増えたことで、誰でも売買できるネット社会の広がりが植物の低価格化を一気に進めていったように思います。

本来は種子をとりにくいアガベも、SNSで胴切りや縦割りのテクニックが広まることで、個人でも簡単に増やせるようになりました。一度人気が出た植物は、増殖され、流通量が増えることで、短期間で市場の状況が大きく変わってしまったんじゃないかなと思います。

実際に最近では、以前は高額だった植物が、実生株や増殖株として手に入りやすい価格になっているように感じます。ホームセンターでも取り扱いが増えていて、ここ4,5年で私の住む田舎のコメリにも珍奇植物コーナーができました。

自分は必ずしも「植物を金銭的価値で見るのがダメ」とも思っていなくて、最初は資産の一つとして投機目的で植物を仕入れ栽培を始めたけど、園芸の楽しさに目覚めてハマった人もいると思います。

ただ、植物を「価格や希少性=価値」としか見ていないと、

「価値があるから増やす」→「増えたから価値が下がる」

という、希少性そのものが崩れる流れになってしまう。

増やすノウハウが広まり、誰でも栽培して販売できるようになった現在。
この先、園芸はどうなっていくんだろうって考えてしまいます。


植物ブームの果てに強くなっていく価値観

オリジナル交配品種(自分なりに記録は残してる)

人気のある植物はブームと共に多くの人が買い求め、増やしやすい植物に関しては数年で誰でも手に入るお手ごろ価格に落ち着いていく。

植物はもう十分すぎるほど安くなっていると思うんだけど、この後に園芸や植物に求められていく価値観って、どんなものだろう?と考えると、個人的には、これから植物の価値は大きく3つに分かれていくように感じています。

希少性:長い時間を経た大株・現地球など、経過時間に価値がある植物
普及性・体験価値:手に入りやすく、育てる楽しみを重視する普及種
情報・物語性・背景価値:栽培者・来歴・由来など、背景の情報に価値が付随する植物

①と②が、今までの植物の価値として分かりやすかったものだけど、この先③を価値として感じて求めていく人が増えると思うんですよね。

①に関しては、CITES(ワシントン条約)掲載種も年々増えているし、きっとどんどん手に入らない植物は増えていくと思う。一部の増やすことが難しい品種に関しては価格も上がるか、流通制限が入っていきそう。

人気があって増やしやすい品種は②のように普及しながら、価格も手ごろになっていくはず。

オトンナカカリオイデス(ひと昔前は高価だったけど、流通量が増えて最近ではだいぶ安くなった)

自分が最近重要視している③は、分かりやすく言えば、「関係性」とか「物語(ストーリー)」があるかどうか。

例えば、

・由来がハッキリしている株/種子である
・誰が栽培した株なのかという情報がある
・こだわり作り込まれた技術や仕立てが美しい
・産地情報がある

というような情報があると、価値を感じる人が増えてくる。

私の周りの趣味家さんは、この情報をしっかり管理している人が多い印象で、自分もここ数年はそういう方からしか購入しないようになっているから、きっとこの先増えていくんじゃないかなと思います。

そこに価値を求める人は、価格や見た目だけではなく背景まで含めて植物を選びたい人は、販売者の情報や栽培履歴が分からない取引ではなく、信頼できる栽培者から購入するようになるのではないかと思います。

これからは「何を買うか」だけではなく、「誰から買うか」「どんな時間を経た植物なのか」という部分が、園芸の価値として大きくなっていくのかもしれません。

価値の再編成が起きたら

「この植物は数が少なくて希少だから」とか「この株は長い年月をかけて育てられていて大きい」というような価値の中に、

◆自分がいつもSNSで見ている栽培家さんの株だから
◆産地情報がしっかり記載されているから
◆交配式が残されてるから

というような理由が重視されてくるのかなと思います。

じゃぁ、それをどうやって記録しておくのかというのがまた次の課題なんだけど、これからはAIを駆使したアプリ開発などもどんどんできそうなので、新しい技術やツールと共に、新しい価値観をもとに園芸が盛り上がっていけばいいなぁと。

「珍しい」とか「希少」とか、「斑入り」とか「サイズが大きい」とかは、比較的広範囲の方が共感できる価値だけど、「誰の株」とか「どういう由来があるのか」とかは、もっと個別化された価値のような気がします。

そういう「他の人にとってはそうでもないかもしれないけど、自分にとっては凄く大切な情報」みたいのが、今後増えてくるんじゃないかと思うので、自分にとって何が大事かをもっと真剣に考えなきゃいけないですね。

植物を育てている皆さんは、どんなポイントに価値を感じますか?

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