【J★K】るんるんルンビニばいばいバイラワ
バイラワから1時間ほどバスで西に向かったところにルンビ二はある。
僕らはバスを降りて、先ずその何もない事に驚いた。村のメインストリートを歩いてみたが店らしい店もなく、ただ砂埃が舞うばかりだ。空腹を覚えたので食事の摂れる店を探したが、何も見付ける事が出来なかった。
「あのゲートの中なら何かあるのかも?」
とキヨさん。
僕らは冊で囲まれた大きな何かの施設に入った。長い砂利道を踏んでどんどん奥へ行くと、キヨさんの読み通り施設の一部にレストランを発見。
施設としてはかなりキチンとしていたし、料理の味も悪くない。だが広い店内に客は殆ど居らず、どこか閑散としていた。薄暗い室内で天井の扇風機だけが誰の為ともなく、ただ静かに回っていた。
僕らはそこで、やっと軽く昼飯を摂る事が出来た。
しかし、ルンビニにはあまり期待してはいけなかった様だ。どうやら現在、観光化の為に開発の真っ最中だったのだ。
運河に水を引いたり、シンボルの火を焚いてみたりしているが、その周りはまるで工事現場の様だ。
「天上天下、唯我独尊」と天地を指す、ブッダ爆誕直後のあのポーズのレリーフがあったが……どうもショボい。
更にブッダ誕生の地を証明する史跡「アショーカ王の柱」もあったが、その歴史的価値の割にやっぱりどうもショボかった。
環境のせいなのか、僕の心の問題なのか。
何しろどうも心が奮わない。
これならむしろ全て自然のまま残しておいてくれた方が、まだ浪漫を馳せる余地があったかも知れない。
まだ陽も高かったが、結果的に「行った」という事実だけを残して僕らはルンビニを去る事にした。
◯
美人のウェイトレスの娘さんが見目に楽しい。
その夜、僕とキヨさんはそんな大衆食堂の片隅で地酒のロキシーで杯を重ねた。
明日、僕はバラナシへ。
キヨさんはカトマンズに戻る。
旅人は出会ったり別れたりが常である。
キヨさんとの楽しかった旅もここまで、こうして僕らの珍道中はバイラワにて幕を閉じたのだった。
「キヨさん、Good Luck!」
