【J★K】地下宮殿
地下宮殿は神秘の穴蔵。
階段を下りると地底湖が広がっていて、古代遺産の柱が天井を支えていた。
この迷宮の奥に進むと、呻くような表情の魔女『ゴーゴン』のレリーフが柱の土台にされている。
『ゴーゴン』は見るものを石に変えてしまう三姉妹のおばけで、その中の一人メデュサをペルセウスが鏡を駆使して討伐した話は有名だろう。
ちなみに神話では、ペルセウスはその帰り道にメデュサの首の力を借りて『おばけ鯨』をやっつけた。
そして救出したアンドロメダちゃんとエエことになる訳だが、その時ペルセウスが、
「キャッホーッ! メデュサちゅわんのお、か、げ、だぜッ! キャホッ!」
と叫んだ事はどの文献にも載っていないし、叫んでいないのに違いない(なんのこっちゃ)。
◯
ピチャン、ピチャンと天井からしたたる水がさらに無気味な雰囲気を醸し出している。闇の中、横向きで半分水に浸かった魔女の瞳が濡れていた。
うぁ、気味悪いなぁ……
この地下宮殿には『ゴーゴン』の首が二つあり、一つは横向き、一つは逆さまになって柱を支えている。発掘されるまで地底に埋められていた彼女らは、長い間、闇を見つめて来たのだろう……。
もっとも見るものが石になってしまう彼女らの景色は、花に色などあるまい。考えてみれば案外地味な世界に生きていたのかも知れない。
そう思うと、気の毒なおばけだ……
ところで想像して面白いのは、『ゴーゴン』が発見された時の事だ。この遺跡を掘り進むうちに誰かがこの首を発見した訳だが、きっと凄くビックリしたに違いない。例えば、
「んー? この柱の根元はちょっと違うぞー」
「よし、もうちょっと掘ってみろよ」
「オーケー、ブラザー」
と二人の工夫が掘り当てて、目から星が散ったかも知れない。
「ぎゃー、ゴーゴンッ!!」
「ええ? ギャフーンッ!!」
(フーンの部分はファルセットだよーッ!)
それもこれも残念ながら僕の空想の域を超えない話だが。
ところで不思議なのは、広々としたこの地下宮殿にメデュサの首の柱は二本あるのだが、このレリーフ以外には装飾らしい物が見当たらない事だ。
何でまた唐突にこの柱にだけ装飾されたのだろう。しかも他のモチーフではなく、何故か『ゴーゴン』。
石が崩れない様に
『ゴーゴン』に見て貰って
建築をしっかりさせてる狙い?
はてさて、古代の人の考えは容易に分かるものではないが。
しかしまた何で横向きと逆さま?
そもそもここは何の施設?
謎が謎を呼ぶ。そして、あれこれ考えてるうちに、ふと思った。
え、本物?
