【J★K】カプチーノの男
地下鉄オペラ駅から大通りを南下してルーブルを目指す。その前にちょっと一息、カフェでカプチーノをごくり。
そう言えば最近は、カフェでは専らカプチーノばかり飲んでいる。
カプチーノと出会ったばかりの頃の僕は、
ムホッ!
「カプチーノ」だって!
なんてオシャレな響きーッ!
みたいな感じだった。
だから皿の上でカップをクルクル回してみたり、小指を立てたりして飲んでいた(ウソ)。
だけどカプチーノ、よく考えたら日本にもあるじゃん……。
そんな訳でもはや「カプチーノ」の響きに魅力も愛嬌も感じなくなった僕は、いつしかすっかり不感症になっていた。
だので今はちょっと男らしく、ぶっきらぼうにウェイトレスさんにそれを頼んだ。
どうだ、頼み方も板に付いた感じだろう。
あれ、無視?
タバコに火をつける。
手持ち無沙汰に、入り口の所にあった新聞を取って来て端からめくってみる。
……読めん。
目目をしばたく。
新聞を閉じる。
窓に目をやる。
こう言う無駄な時間が大好きだ。
無駄な時間って非常に豊な事だと思う。
その窓からはルーブル美術館の東側が見えた。
まばらに人が道を横切っている。
僕はひとしきりカプチーノとタバコを楽しんだ後、ルーブル美術館へ足を向けた。
