【J★K】インドの音楽祭(1)
僕はインドの楽器に魅せられて、シバラートリー前夜に催された音楽会を観に出掛けた。
広い会場には白い大きな布が敷かれていて、観客はその上で思い思いの場所にあぐらをかいては舞台を眺めている。家族連れや旅人など、沢山の人達がまだかまだかと開演を待ち侘びていた。
「うー、ワクワクーッ!」
◯
その夜、僕が耳にしたのは4つのグループの演奏だった。
一組目はシタールとタブラの二人組。
僕には難しくて分からないが、彼らは一見それぞれが勝手に演奏している様で、実は心で数を数えている様だ。つまり、不思議な事に曲のある瞬間に二人の演奏がピタッと合うのだ。そしてまた自由になり、またピタッとする。
僕は先ず「それぞれが勝手に演奏」するスタイルに驚いたが、それがピタッと合う瞬間を知って更にビックラこいた。
それとタブラの奏でたリズムフレーズで、
タンタカ すぽこーん
タカタカタ
タカタカタ
と言うフレーズが単純に気に入った。
二組目は男性ボーカルが二名含まれていた。
これがどうしたって長いので、くたびれてしまった。
「長けりゃ良いってもんじゃないよね……」
僕は退屈して足の爪なんかいじったりしていたが、後半は違った。
「パールバティー……」
お?
今、歌詞に神様の名が入ってたぞ?
「パールバティバティーバーティー……」
「パールバティバティーバーティー……」
「ガンガ、ガンガガンガガンガ!」
「ガンガ、ガンガガンガガンガ!」
うはーッ、面白い!
ガンガはガンジス川の女神だよね、これは神様の賛歌だったんだ! 分かると面白い。僕はなんだか楽しくなって、踊り出したい気持ちになった。
パールバティバティーバーティー……
ガンガ、ガンガガンガガンガ!
キャッチーなフレーズが頭から離れなくなってしまった。
三組目はちょっと変わった楽器を持って来た。
胴が二つある大きな鉄アレーの様な形の弦楽器だ。これを両膝に乗せ、下からグルリと手をまわして演奏するのだ。
だが残念ながらこれは形ばっかりで、その内容は殆ど印象に残らなかった。
あーあ。
これは出落ちって感じだな。
退屈ぅ……。
つづく
