見出し画像

【J★K】フルムーンパーティー(1)

 或る日、フルムーンパーティーが催されるという情報を耳にした。ユキさんは体調を崩してたのでキャンセルだが、僕とキヨさんを含む日本人男性四名とネパール人一人で参加してみる事になった。

 このネパール人、誰かの友達だろうか?
 よく分からないが何故か一緒にいた。
 まあ良いか。

 パーティー会場はお店の中庭の様な所で、大道芸人を装った素人が火のついた物を危なげにグルグル回していた。今ひとつ盛り上がりに欠ける催しで、彼らが頑張るほど、どうも痛々しさが増すようだった。

 取り敢えず僕ら五人はビールを飲んだ。
 「400ルピーでビール4本+1本」というサービスがあり、僕らは各々1本ずつのビールを空けた。

 ◯

 二階がダンス会場になっていたので、そちらも覗いてみる。

 中国からこっち、思えばよく踊って来たものだ。どこの国でも人間のする事なんて大して変わらないものだな……とつくづく思う。
 だが、今はそんな事を考えてる場合ではない。一心不乱にダンスな一時を楽しむのが最優先で、踊るのに蘊蓄なぞ要らんのですたい!

 と思ったらキヨさんが、
「ショーゴさん、先に撤収しますわー」
 と言った。
 もう一人も撤収に決めたらしい。照れ屋さんなのか、二人ともダンスがあまり好きではない様子だった。

「え、そっかー。じゃあ僕も帰ろっかな……」
「やー、いいですってー。楽しそうだからー」
「うーん。まあ、楽しいかな……。じゃあ、また後でね!」
 僕は残留を決め、もう一人の日本人も一緒に残る事になった。

 ◯

 ひとしきり踊り倒した後に時計に目をやると、いい時間になっていた。

「そろそろ、僕らも撤収しますか」
「そうですね、行きますか」

 気分良く帰ろうとした時、支払いの段になって僕たちは思わぬ形でモメる事になった。
 400ルピーを五人で割ると一人頭80ルピーになる。僕は一緒に来たネパール人に、
「80ルピーもらって良いかな?」
 と持ち掛けた。だが、どうも様子がおかしい。
「?」
 そしていよいよ、彼はこう打ち明けた。

「実は、お金が無いんだ……」
「は?」

つづく

いいなと思ったら応援しよう!