下手な人ほど道具にこだわれ
「弘法筆を選ばず」
真に優れた使い手は道具の善し悪しに関わらず結果を残す、という意味の言葉だが、プロ野球などで活躍する一流の選手はしっかりと道具にもこだわっている。

スパイクを使用していたため2,3試合ごとに履き替えていたんだとか
まあギルティギアのトッププレイヤーであるもっちーさんが昔、特に手を加えていないノーマルなRAP.Vを使用していると聞いてビックリしたこともあったが、別にそれもその状態がベストだということを指すわけではない。

スナックボックスというレバーレスコントローラーに変えている
なので、私はどちらかというと、この言葉は逆説的に捉えた方が役に立つと思っている。
すなわち
「下手な人ほど道具にこだわれ」
ということだ。
1.昔は道具にこだわらなかった
一見無駄に思えるかもしれないし、その道具が消耗品であるならばもったないように見えるかもしれない。しかし、ただでさえ経験が浅く技術的に劣るような人が粗悪な道具を使っているとしたらどうだろう。
それは結果に悪い影響を招き、成長を阻害することになるのではないだろうか。
恥ずかしながら私も格闘ゲームをする上で、操作デバイスであるアーケードコントローラーには一定のこだわりを持っている。プレイをする際も十分な性能を持ったパソコンを有線でネットに接続するようにしている。

そうして自分が最良と思える環境を用意して、出来る限り高いパフォーマンスを発揮出来るようにしている。悲しいかな、それでも大した実力ではないのだけど。
ただまあ、ずっと前からそうだったかというとそういうわけではない。むしろ私はかなりいい加減な方だったと思う。
今のように家庭用ゲームでオンラインのネット対戦が一般的に行われるようになったのは、PlayStation 3(PS3)やXbox360の時代からだ。私も当時、初代のブレイブルーやストリートファイター4といったゲームをPS3でプレイしていた。

ただ、コントローラーは純正のPS3用コントローラーを使っていたし、モニターも当初は16:9表示の出来ないブラウン管のテレビだったため、慌ててヨドバシカメラへモニターを買いに行ったくらいだ。

別にそれで満足していたし、自分程度の実力の人間がデバイスの違いで何か変わるとはとてもじゃないけど思えなかった。
そんな自分の考えが変わったのはGGSTがきっかけだった。
2.考えを改めた2021年
当初私はコントローラーだけはかろうじて中古で買ったRAP.Vを使っていたものの、相も変わらずどノーマルなPS4と前述した十年以上前のモニターでプレイしていた。
一応有線ではあったが、とんでもない入力遅延が発生する環境であり今思うと我ながらよくこんな状態でプレイしていたなと思う。

当然ながらそんな状態で思うように勝利することは出来ず、割とすぐに10階までは到達することが出来たものの、天上階に到達するのには2~3ヶ月以上の時間を要した。

これを長いと捉えるか短いと捉えるかは人によって違うかもしれないが、頭に「30年近く格闘ゲームに触れてきた男」という前提条件が付くのだ。決して早い方ではないだろう。
そして、初の天上階入りに気を良くした私は、プラットフォームをPCのSteamに移行することにした。

それまではPSとPCでの対戦は出来ませんでした
その時私はちょうど実家から通える事業所に異動させられた直後で、それまでは回線を繋ぐ都合上一階の仏間にPS4を置いてプレイしていたのだが、自室まで回線を引っ張ってもっと手軽にプレイ出来るようにしようと考えたのだ。
そうして何気なくPC版でGGSTをプレイしてみたのだが、ものすごい衝撃を受けたのを覚えている。

『Critea VF-HGK1050』という少し古いノートPC
まず入力遅延が無い。全く無いわけではないのだろうが、ほとんど感じないレベルだ。今まではどこかカクつくように感じていたキャラクターが滑らかに動作する。なかなかタイミングが掴めなかったRCCを使用したコンボも10分で出来るようになった。
そしてモニターのフレームレートがそれまでの倍(120Hz)に改善されたことで、これまでなかなか見切ることが出来なかった攻撃も見えるようになった。意識していれば発生が早すぎない中段攻撃なら立ってガードすることも出来るようになった。
敵ながらナイスガード!!
— たくさん (@kaizi8kaiji) July 10, 2026
…だけど、オレも負けてねえぜ? pic.twitter.com/Et28gciB9G
その結果、もう一度チュートリアルから始めたPC版のGGSTで、私は無敗のまま一時間足らずで天上階に到達した。正直言って運もあったと思うが、プレイする環境の違いがはっきりとした形で出たということでもある。
さらに驚いたのは、このPC版で得た経験が後に比較として再度プレイしたPS4版でも活かせたことだった。上述したRCCコンボはPS4版でも問題なく出来るようになっていた。正しい入力タイミングを掴めたからだろう。
そうして本格的に楽しくなった私はさらにPC版でGGSTをやり込んでいくようになり、酷使に耐えかねたアケコンのボタンが壊れたことをきっかけにアケコンカスタムにのめり込んでいき今に至るわけだ。
↑※ししょーのnoteもよろしく
そう考えてみると、GGSTは2021年から2026年の今日まで続く息の長いゲームになったなとしみじみ思うわけだが、確信していることがある。
それは、私が当初の環境でPS4版しかプレイしていなかったのならば、とっくに辞めていただろう、ということだ。
良い道具を使えば上達は早くなる、その分勝率も上がり自分の成長を感じられるようになる。そうした成功体験の積み重ねがモチベーションの維持に繋がるのだ。
とてもじゃないが、入力遅延が大きく改善すべき点がどこにあるのかも分からない状況で続けられた自信はない。多分どこかであっさりと辞めてしまっていただろう。
3.アケコンカスタムの効果は大
また、PC版にプレイ環境を変えたことと同様に、アーケードコントローラーのカスタムが私に与えた影響も大きい。
特に「ボタンのショートストローク化」とレバーに「OTTO DIY V5」を付けてカスタムした時に感じた操作性の向上は、はっきりと違いが分かるレベルだった。

以前までは見えていてもガードが間に合わなかった攻撃がガード出来るようになり、投げ抜けの精度が著しく向上した。コンボ等も正しいタイミングでの入力が身に付きやすくなる。
この辺りは人によって合う合わないもあり単純ではないため難しいが、自分にとって最良の「道具」が用意出来たのならば話は早い。あとは自分の腕を磨くだけだ。
4.まとめ
私は達人ではない。ただの格ゲー好きの一般人に過ぎないが、それでもGGSTに関してはプレイ環境にこだわり、道具にこだわったからこそ続けられたのだと思っている。
パッド、レバー、レバーレス、キーボード。格闘ゲームの操作デバイスをざっと挙げただけでもこれだけある。そしてさらにその中で仕様の異なる様々なデバイスが存在しているのだ。

特に深く考えずに使用している人、また現状伸び悩んでいる人は一度自分にとって最良のデバイスは何なのか、見直してみてもいいのではないだろうか。
そして新しく始めようとしている人もどうか遠慮せず良い道具をそろえてみてほしい。形から入ることに抵抗がある人もいるだろうが、上達することを考えるならばそちらの方が理にかなっていると思う。
何しろ純粋にスキルで上手の相手に挑むことになるのだ。せめて使う道具だけでも充実させておきたい。格闘ゲームに限らず、そうして勝負事の本質に早く触れることこそが、自分を成長させることに繋がっていくのだ。
