【アルジェリア】その名も「美しい」。約1900年前のローマ都市「ジェミラ」
アルジェリア北東部の山あいに、ジェミラという町があります。人口はおよそ3万人(2022年時点)。地名はアラビア語の「جميلة(ジャミーラ)」に由来し、「美しい」という意味です。
その名前の通り、山あいの町のすぐそばには、約1900年前に築かれた古代ローマ都市の、美しい遺跡が広がっています。
ジェミラ考古学博物館
まず訪れたのは、遺跡に併設された博物館。ここには、遺跡から出土したモザイク(色石を並べて作る、タイルアートのようなもの)が数多く収められています。
神話の場面や日常の風景を描いた色鮮やかなモザイクが壁一面に並び、古代ローマ時代の人々の暮らしや美意識を、間近に感じることができます。



ジェミラ遺跡へ
博物館を出て、いよいよ遺跡へ。
ジェミラの建設が始まったのは1世紀末。今から約1900年前、第12代ローマ皇帝ネルウァの治世です。
ジェミラが、ほかのローマ遺跡と大きく違うのは、その立地。平地ではなく、谷に囲まれた尾根の上に都市が築かれています。これは、ローマ式の都市計画をそのまま持ち込むのではなく、山の地形に合わせて都市そのものをつくったのです。この地形に適応した都市計画こそ、ジェミラの大きな特徴のひとつです。

山の地形に合わせて街の配置が調整されています
ジェミラは、古代ローマ軍の退役兵士たちの入植地として始まり、2〜3世紀にかけて大きく発展しました。セウェルス朝の時代になると、城壁の外側にも新市街が広がり、カラカラの凱旋門をはじめ、市場やバシリカ(公共の集会施設)などが築かれました。そして現在、私たちはその街の中を、実際に歩くことができます。

その後、ローマ帝国が弱体化すると、ヴァンダル族の侵入や統治の混乱なども重なり、6世紀には人々が去り、町は放棄されたとされています。
長い間、土に埋もれたままになっていましたが、1909年、フランス植民地時代に本格的な発掘調査が始まり、再びその姿を現しました。
そして1982年、ユネスコ世界遺産に登録されています。

山の風景に溶け込むようにそのまま残る石造りの街並みや、色鮮やかなモザイク、アルジェリアでこんな綺麗な遺跡の中にダイブするかのような体験ができるとは思っていませんでした。
……けれど、驚くのはまだ早かった。
このあと私たちは、さらに大きな古代ローマ遺跡へ向かいます。
次回は、そちらをお届けします。
参考:
UNESCO World Heritage Centre「Djémila」https://whc.unesco.org/en/list/191/
UNESCO World Heritage Centre「Djémila – Periodic Reporting」https://whc.unesco.org/document/216316
Ancient Origins「Djémila, Algeria: A Spectacular Roman City That's Said to Rival all Others」https://www.ancient-origins.net/ancient-places/djemila-algeria-0010819
