#57 【つまずかない身体】をその場で作る|フラットな床で「おっとっと」。なぜ私たちは、何もない平らな場所でつまずくのか 後編
【第57回】8月20日(木)配信分:運動回
今まさに必死で頑張りすぎているあなたへ。
今日も10年先、20年先に若々しく動ける体を作るための、簡単な運動をお届けします。
私たちのつまずきは、ホルモンバランスの変化と、日々を必死に生き抜くための緊張から生まれたものです。
だからこそ、これ以上自分を追い込むような「1日30分のウォーキング」や「きつい筋トレ」を生活に足す必要はありません。その思い込みは引き算してしまいましょう。
固まったつま先を解放し、下がりきった目線を少しだけ上げてあげる。
それだけで重心が正しい位置に戻り、何もないところでつまずかなくなるだけでなく、歩く姿そのものが驚くほど若々しく変わります。
では、日常のあらゆる場面で「ついで」にできる、目からウロコの科学的運動を始めましょう。
狙うべきは、たった一つ。「つま先」です。
今すぐできる!実践メニュー
「つま先アップ&ホールド法」
寝たきりを防ぎ、10年先も自分の足で動ける身体をつくるための、最もシンプルで効果的な運動です。
つま先を上げる:
座ったままでも、立ったままでも構いません。かかとを地面につけたまま、足の親指(つま先)を上に向かってグッと持ち上げます。5秒キープ:
すねの筋肉(前脛骨筋)がキュッと硬くなるのを感じながら、5秒間キープします。すとんと下ろす:
力を一気に抜いて、つま先を下ろします。

これを片足ずつ、または両足同時に3回繰り返します。
この運動を行うことで、すねの筋肉に刺激が入り、歩くときに「無意識につま先が上がる」状態を自動的に作ることができます。
日常生活の「ついで」タイミング
通勤途中・電車内(立ち姿勢・座り姿勢):
電車に揺られている間、席に座っているときや吊り革を掴んでいるときに、こっそり靴の中で「つま先だけを上に向ける」運動を5秒間行います。車内(運転の赤信号待ち):
ブレーキペダルを踏んでいない方の足(左足)を使って、赤信号の間に3回、つま先をグッと上に持ち上げるリセットを行います。デスクワーク(すわり仕事):
パソコンに向かってキーボードを叩きながら、デスクの下で両足のつま先を同時に上げて5秒キープ。これだけで、座りっぱなしで後ろに倒れた骨盤にスイッチが入ります。接客・立ち仕事(目線の引き算):
次の仕事へ移動する瞬間や、廊下を歩くとき、いつもより「3メートル先」に目線を向けて歩きます。これだけで、前に突っ込んでいた頭の位置が戻り、重心が安定してすり足が解消されます。
正解の形に縛られる必要はありません。
「あ、今足元がヒヤッとしたな」「つまずきそうになったな」と気づいた瞬間が、あなたの体をアップデートする最高のタイミングです。
科学の力を少しだけ借りて、がんばりすぎる毎日の中に、今日より少しゆとりのある明日を増やしていきましょう。
5分健康室
10年前の自分をイメージして今日もアップデート。
時間がない時は記事を読んでイメージするだけでも大丈夫です。
【出典】
出典・発表年: 『更年期女性における姿勢変化と運動療法の効果に関する検討』日本女性医学学会雑誌(2021年) [日本女性医学学会]
概要: 閉経前後の女性におけるエストロゲンの低下が、骨密度および背部筋力(抗重力筋)に与える影響を調査。肩甲骨周囲のアプローチが、円背(猫背)の進行抑制とQOL向上に有効であることを示している。出典・発表年: 『精神的ストレス負荷時における頭頸部・肩甲帯の筋活動および姿勢の変化』J-STAGE公表・理学療法科学(2020年) [理学療法科学]
概要: VDT作業(PC作業等)中に精神的ストレスが加わることで、交感神経が優位になり、無意識に僧帽筋や大胸筋が緊張して巻き肩・猫背姿勢が増強されるメカニズムを筋電図にて実証している。
