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遍路へ行こう 第1煩悩 【バス停へ】

 僕はこれからお遍路に向かう。今はまだ四国から遠いところにいる。きっと明日の今頃にはもう走ってお遍路をしているはずだろう。そう、僕はお遍路について大して…というか、何も知らない”と言ってもいい。し、明日の今頃、どんなことになっているのかもわからない。
僕がお遍路について、出発前にわかっているいくつかのこと。それは四国を白衣を着てまわること。菅傘を被ること。寺で御朱印をもらうこと…くらいだったと思う。

 駅から羽田へバスで向かう予定だった。バスの予約はもう数日前に終えている。14時50頃の出発のバスだった。僕はまだ14時30分になっても家にいた。大体、こういうときでも…というか、出発の時間がうまく調節できない。それは”早く目的地(今回ならバス停になる)に、着き過ぎないようにしようとする観点から、ギリギリになってしまうのだと思う。例えば30分早くバス停について、30分待ちぼうけはしたくない。外は35度近い温度があった。ただでさえ汗っかきの僕は待ってられない。かといって、喫茶店に行くのも荷物が多いので、なんだか避けたい。どこか涼しい場所に座り本を読む…それなら、家でゆっくりして、ちょうどよいときに、そう5分くらい前にバス停に着き、バスに乗りこむくらいにしよう…なんて思ってしまう。そういった思考回路により、僕は14時30分になってもまだ家にいたのだ。タクシーで向かう予定だったから、タクシーの配車により僕の運命は左右されることになる。といっても、こうやって、僕は僕の人生をやりくりして今、ここまで歳をとってきたわけだ。それなりの、生きる感覚のようなものを持っていて、それが14時30分まで家にいさせた…といっても過言ではないだろう。
 
 そう、きっと僕はバスに間に合うはずだ。

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