Georgia〜僕は誰だ〜
いつまで経っても、「ハドリアヌス帝の回想」が進まない。読みたい本がまだまだある。乱雑に、時に整然とピアノの上に置かれている。それらにたどり着く前に、ハドリアヌス帝が僕を進ませてはくれない。これはとてつもないことだと思う。きっと、僕が前に進めない原因の一つは、”僕とハドリアヌス帝が合わない”ということなのだと思う。
それは、きっと訳者と合わないのか、もともとの作者(マルグット・ユルスナール)と合わないのか、僕が生きてきた全ての経験、キャリアがハドリアヌス帝の先に進むのに必要な”なにか”を欠けさせていた…、きたからなのか、それは、生まれ持ってのことなのか、努力や運によるものなのか…わからない。
1ページめくるごとに、横文字の登場人物が現れ、それが誰のことを指しているのかもわからないまま、わからない単語による、わからない会話が始まる。誰が何をしようとして、何をしたのかも、それすらもわからない。仕舞には僕が誰なのかもわからなくなり、仕舞には僕が生きているのかもわからなくなる。
あぁ、ハドリアヌス帝。
それでも、僕はページをめくるのを止めはしない。
どうしてか。…考えること、
そんなこと、考えること、やめたんだ。
