【5月31日生まれのあなたは、そのままでいい】今日の誕生絵本『ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性』
こんにちは。
毎日、今日生まれた絵本を紹介する、
「誕生絵本ソムリエ」、たけゴリラです🦍
この記事は、今日5月31日にお誕生日を迎えたあなたへ、そしてあなたの大切な人に「そのままでいい」と伝えたいすべての人へ向けて書きました。

5月31日、特別な今日を迎えたあなたへ
5月の最後の日。
カレンダーをめくれば、もうそこは6月の入り口です。 初夏の風がかすかに香り、空は青く、緑はいよいよ色を濃くしていく。
「終わり」と「始まり」のちょうど境目に生まれたあなたは、 どちらの季節の顔も知っている人なのだと思います。
5月31日生まれの方と話していると、どこかそういう印象を受けることがあります。 流行に乗ることより、自分が本当に好きなものをずっと大事にしている。 誰かに理解されなくても、それを手放さない。 うまく言えないのですが、芯のある静けさとでも呼べばいいのか。
今日という日に、そんなあなたに届けたい一冊があります。それは、実在した女性科学者の物語。「ドラゴン」を愛した、誰よりも自由な魂を持った人の話です。
5月31日の誕生絵本:『ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性』
『ドラゴンのお医者さん ジョーン・プロクター は虫類を愛した女性』
文・パトリシア・バルデス
絵・フェリシタ・サラ
訳・服部理佳
岩崎書店
2019年5月31日 初版
19世紀末のイギリスに、実在した女性がいました。
女の子らしいドレスやお人形には目もくれず、 トカゲやヘビやワニに夢中になった少女、ジョーン・プロクター。 16歳の誕生日プレゼントとして本物のワニの赤ちゃんをねだり、 リボンをつけてお散歩に連れていったというエピソードが残っています。

読んだとき、思わず笑ってしまいました。 同時に、少しうらやましくなった。 そこまで何かを好きでいられる、ということへの、純粋なうらやましさ。
彼女の人生は、情熱だけでは語れません。 慢性的な病を抱え、大学進学も断念せざるを得なかった。 それでも独学で知識を深め、大英自然史博物館の学芸員助手として道を拓いていきます。

物語が大きく動くのは、「人食い怪物」として恐れられていたコモドドラゴンとの出会いです。 人々が遠巻きにして震え上がっていたとき、 ジョーンはその目をまっすぐに見た。
彼女が何を感じたか、本文には書いていません。 でも、その後の行動が全部語っています。
車椅子での生活を余儀なくされてもなお、傍らにはコモドドラゴンのスンバワがいました。 34歳という短い生涯でした。
この絵本の初版発行日は、2019年5月31日。 「境界の日に生まれたあなた」と「時代の境界を越えていったジョーン」が、どこかで重なる気がして、この日の一冊に選びました。
ページをめくるたび、大人の心に深く染みわたる理由
爬虫類の絵本と聞くと最初は少し身構えまるかもしれません。
でもイタリア出身のイラストレーター、フェリシタ・サラが描く絵は、 鮮やかで、落ち着いていて、どこか夢の中のような色彩に満ちています。 ウロコの一枚一枚に、ちゃんと温度がある。 ジョーンがドラゴンを見る目の、あの優しさは、文章ではなく絵でしか出せないものです。

この絵本を読んで特に印象に残るのは、学会の場にコモドドラゴンを連れていく場面です。
列席した学者たちの前で、大きく開いたドラゴンの口を涼しい顔で診察してみせる。 笑えるシーンなのに、笑えない。 「自分が正しいと信じることを、静かに、でも確かに体現している人」の顔があるから。
子どもの頃に読んでいたら、すごい人だなで終わったと思います。 大人になってから読むと、その「静かさ」の意味が、少し違って見えてくる。

絵本でありながら、伝記として、アートブックとして、そして人生論として。何度でも、その時々の自分に合った読み方ができる一冊です。
この絵本が教えてくれる、自分らしく生きるためのお守り
ジョーンは、誰かに認められたくて爬虫類を愛したわけではありませんでした。 ただ、好きだったのです。それだけ。
その「それだけ」が、博物館の仕事につながり、 動物園の爬虫類館の設計につながり、 歴史に名前を残すことにつながった。
もし今、自分の「好き」を少し持て余しているなら。 周りと違う自分を、どこか申し訳なく感じているなら。 この絵本は、そういうときに静かに開ける一冊だと思います。
何かを言ってくれるわけじゃない。ただ、ジョーンがそこにいる。 それだけで、なぜか少し楽になれる。
コモドドラゴンへのまなざしもそうです。 世間が「怖い」と遠ざけるものを、先入観なく見つめ直す目。 それは爬虫類の話でありながら、人と人との間にある話でもある。 読んだ後にそう気づいたら、もう一度最初から読み返してみてくださいね。

お誕生日おめでとうございます。最後にあなたへ
5月31日、お誕生日をおめでとうございます。
この絵本が初めて世に出た日と、あなたが生まれた日が同じであること。 偶然といえば偶然ですが、なんとなくそれだけで、 この本はあなたのそばに置かれるべき一冊だという気がしています。
自分へのプレゼントとして。 あるいは、言葉では伝えづらい「あなたはそのままでいい」を誰かに届けたいとき、 代わりにこの本を渡してみてください。
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「誕生絵本365」 は、365日それぞれに生まれた方へ向けて、その日の空気に合った絵本のエッセイをお届けしている企画です。 明日は6月1日の誕生絵本をお届けします。 フォローしていただけると、大切な人の誕生日にきっと間に合います。
また、明日の誕生絵本でお会いしましょう。

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