AIの文章を何度も直す人に足りないのは、長いプロンプトではない
AIを使えば、文章を書く時間は短くできます。
しかし、AIへ何度も修正を頼んでいるうちに、気づけば自分で書くより時間がかかっていた。そんなこともあります。
特に、本業や家事の合間に副業をする人にとって、使える時間は限られています。
せっかく30分確保しても、
「もう少し具体的にしてください」
「初心者向けに直してください」
「もっと自然な文章にしてください」
と依頼を繰り返すだけで終わってしまったら、AIを使う意味が薄くなります。
こうした修正が増える原因は、プロンプトが短いことだけではありません。
AIへ依頼する前に、「何をもって完成とするか」が決まっていないことにも原因があります。
AIは文章を書けても、正解は決められない
AIは、一つのテーマから複数のタイトルや構成、文章案を短時間で作れます。
一方で、その中のどれが自分にとって正しいのかは、AIだけでは決められません。
同じ「AI副業についての記事」でも、初心者へ書くのか、すでにAIを仕事で使っている人へ書くのかで、必要な説明は変わります。
読者へ副業の選択肢を知ってもらいたいのか、実際に一つ試せるようになってほしいのかでも、記事の着地点は変わります。
ここが決まっていないままAIへ「記事を書いて」と頼むと、間違いではないけれど、誰にも強く必要とされない文章が出やすくなります。
その文章を見てから修正を始めるため、やり取りが増えていきます。
必要なのは、長い指示を書くことより、最初に合格の基準を決めることです。
最初に決めたい3つの条件
文章を書かせる前に、最低限、次の3つを決めます。
1.誰に読んでほしいか
「副業に興味がある人」だけでは、まだ広すぎます。
たとえば、
「AIに興味はあるが、仕事や副業にどう使えばいいか分からない会社員」
「家事や本業があり、まとまった副業時間を取りにくい人」
「自分の商品を作りたいが、テーマを決められない人」
というように、その記事を必要とする場面まで考えます。
読者が具体的になると、説明すべき言葉や、使う例も決めやすくなります。
2.読後、何ができるようになってほしいか
記事の目的を「AI副業について知ってもらう」とすると、内容は広がりすぎます。
「自分の経験から商品候補を一つ探せる」
「AIへ任せる作業を一つ決められる」
「noteを書く前に、読者と目的を言葉にできる」
というように、読後の変化を一つに絞ります。
この条件が決まると、記事に必要な情報と、今回は書かなくてもよい情報を分けられます。
3.入れたくない表現は何か
AIは、強い断定や、よく使われる言い回しを出すことがあります。
そのため、避けたい表現も先に伝えます。
たとえば、
根拠のない収益保証をしない
読者を見下す表現を使わない
実際に確認していない体験を作らない
不安を過度に煽らない
専門用語を説明せずに使わない
といった条件です。
禁止事項を決めるのは、AIの自由を奪うためではありません。
自分が守りたい姿勢から文章が外れないようにするためです。
3つの条件を、AIへどう渡すか
たとえば、次のように整理します。
読者:
AI副業に興味はあるが、何から始めればいいか分からない人
読後:
自分の経験から、発信や商品の候補を一つ考えられる
入れない表現:
根拠のない収益保証、上から目線の助言、確認していない体験
そのうえで、いきなり本文を書かせるのではなく、まず構成だけを出してもらいます。
構成を見ながら、
読者の悩みから始まっているか
読後の変化につながっているか
話が広がりすぎていないか
不足している具体例はないか
を確認します。
構成がずれている段階なら、直す文章量はまだ少なくて済みます。
方向性が合ってから本文を書かせるほうが、完成後に大きく書き直すより進めやすくなります。
AIに任せる部分と、人間が決める部分
AIへ任せやすいのは、材料の整理、構成案の作成、言い換え、説明順の比較です。
一方で、人間が決める必要があるのは、
誰の問題を扱うか
どんな変化を届けるか
どの事実を使うか
どんな言葉を使わないか
最後にどの案を採用するか
という判断です。
AIへすべてを任せるのではなく、先に人間が判断の枠を作り、その中でAIに候補を出してもらいます。
この分け方ができると、AIの文章をそのまま採用する必要も、最初から自分だけで書く必要もありません。
条件は、多ければよいわけではない
完成条件を細かく決めすぎると、今度は準備だけで時間がかかります。
毎回、長いプロンプトを作る必要はありません。
まずは、
「誰に」
「何ができるようになってほしいか」
「何を入れないか」
の3つで十分です。
文字数、形式、参考資料など、その仕事に必要な条件だけを後から加えます。
AIで文章を書く力は、難しい命令文を覚えることではありません。
自分が作りたいものの完成形を、AIへ渡せる言葉に変えることです。
次にAIへ文章を頼むときは、本文を書かせる前に、3つの完成条件を一行ずつ書いてみる。
それだけでも、AIとの修正作業を減らし、本当に考えたい部分へ時間を使いやすくなります。
