見出し画像

【読後感想文】これは私の言葉じゃない

 人気クリエイター 夏野 さんごさんによるイヤミス、サスペンスである「これは私の言葉じゃない」が、完結しました。おめでとうございます。
 こちらです。

 私、なるべくなら「一気読み」したいのですが、この作品に関しては「不適切な伴走」という感じで、投稿される度に拝読いたしました。

 さんごさんが得意とする「情感豊かな表現力」で描かれる、歪な登場人物たちが新宿という混沌な世界で擦り合いながら、二人の主人公の欲望と絡み合う世界観。
 途中まで読んで
「これはゲーテのファウストか?」
 と考えたりしましたが、完結まで読み終えた印象は
「お前、芥川龍之介の蜘蛛の糸だったのか」
 と変わりました。

 二人の主人公の前にもたらされた、それぞれの「蜘蛛の糸」に縋りつくようにして天を目指していく。
 細く不安定な糸を揺らす、善悪の意図がわからない周囲の人間、突風のように起きる事件。
 闇に怯えて不安を抱く主人公たちは、蜘蛛の糸に巻きつかれていく。掴んでいるのか捕まえられているのか、わからないままに。

 主人公2人がお互いを意識しないままに、蜘蛛の糸を掴んでいる姿を読者にだけは伝え続ける技術、そして最後に蜘蛛の糸が絡み合ってからのエンディングとエピローグは「お見事!」という展開でした。
 イヤミスなんだけど、頷いてしまう現代ならではのリアリティがありました。

 背景にある「クリエイターズ文芸大賞」の展開にニヤニヤしてしまうのは、皆さん一緒でしょうね。

 何人かの方が「続編」を期待するコメントを書いていらっしゃいました。うんうん、面白かったから、もっと読みたいよね。
 けど、敢えて申し上げます。
「これ、完結したけど、完成してないですよね。もっと書き込んだ完成版が読みたいです」
 とは言え、今の時点では
「お疲れ様、完結おめでとうございます」
 が優先です。少し休憩していただいた後、
「創作大賞受賞からの商業出版」で完成版が生まれることを期待しています。

#何を書いても最後は宣伝
 都会の喧騒に疲れた方は、田舎のオッさんたちのお話でイヤミスではなく、癒されてください。

 


 


いいなと思ったら応援しよう!

福島太郎 サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。