【連載】リオのカーニバルのひみつ#01|テレビから精霊が!? ドン・カーニバルと魔法の旅へ
超ライト層向けの学習小説「リオのカーニバルのひみつ」を不定期で連載開始します。他の記事とは少しテイストが異なります。
ハルトとエマがドン・カーニバルに誘われ、光のトンネルへ飛び込む導入部…
第1章 カーニバルってなに?
その日、ハルトは友だちのエマの家に遊びに来ていた。
リオの太陽がまぶしく照りつける午後。テレビの画面いっぱいに、色とりどりの衣装を着た人々が踊っている。
「うわっ、すごい!この人たち、なにしてるの?」
ハルトが思わず声を上げる。
エマはにっこり笑って、リモコンを握りしめた。
「これはね、カーニバル(Carnaval)っていうの。リオでいちばん大きなおまつりよ!」
画面の中では、金色の羽根を背負った女性が、太鼓の音に合わせてスハルトプを踏んでいる。
その後ろには巨大な山車――アレゴリア(Alegoria)が進み、観客が歓声をあげていた。
「へえ……おどり?それとも、まつり?」
ハルトが首をかしげる。
エマも少し考えて、
「うーん、どっちもかな?」と笑った。

すると、テレビの中から、どこか愉快な声が聞こえてきた。
「おや?カーニバルを知らないとな?それはいけない!」
「えっ、だれ!?」
ハルトとエマが顔を見合わせると、画面の中からキラキラと光があふれ出した。
光の中から現れたのは――金色の羽根飾りをつけた陽気なおじさんだった。
「ぼくの名はドン・カーニバル。このお祭りの精霊さ!」
おじさんは帽子をくるりと回して、にっこり笑う。
「君たちに、本当のカーニバルを見せてあげよう!」
「えっ、本当の……?」
次の瞬間、部屋の空気がぐるりと渦を巻いた。
ハルトとエマの足元がふわりと浮き上がる。
「わあああっ!」
「きゃーっ!」
光のトンネルの中を、ふたりはくるくると回りながら落ちていった。
ドン・カーニバルの声が遠くで響く。
「さあ、旅のはじまりだ!“カーニバルのひみつ”をさがしに行こう!」
――こうして、ハルトとエマの不思議な旅がはじまった。
つづく
いいなと思ったら応援しよう!
執筆活動への温かいご支援をありがとうございます。ブラジルの「カフェジーニョ」を一杯差し入れていただくようなお気持ちで、活動を応援いただけると励みになります。今後も、狂騒の裏側に潜む「動くオペラ」の構造美を、独自の視点で丁寧にお届けしてまいります。