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逆に読めない方がよい。トリガーから解放までを設計した「よい違和感」の正体【広告デザイン】

相鉄線の横浜駅で、今回書いてみようとした広告を見つけました。

最初「?」となる内容。

駅の構内で思わず二度見してしまう、見事な「よい違和感」の設計がされた広告。

今日はこの広告について、考えてみたいとおもいま〜す。


どんなデザイン?

神奈川・横浜を中心に専門学校を展開し、
「『自分らしく』を応援します」という理念のもと、学生の個性と可能性を育む教育機関、
「学校法人 岩崎学園」の広告。

サイトのトップページもめっちゃすき。

引用: 学校法人 岩崎学園公式Webサイト
https://www.iwasaki.ac.jp


この広告の狙いは、学校のカリキュラムや実績を伝えることではないのがおもろいポイント。
(商品にありがちだけど、実績とかスペックとか書きがち。まぁ伝わりやすいからなんだけどね。)

進路や人生に悩む若者たち(あるいは、型にはめられがちな現代人すべて)に対して、

「周りと違っても大丈夫」

「あなたはそのままでいい」

という、受容と肯定のメッセージを届けているのが、この広告。

もっと裏にあるメッセージを勝手に想像するなら、
「世間の『正しい向き』に合わせなくていい。はみ出しても、ひっくり返っていても、それがあなたの個性なら堂々としていればいい」
という力強いエールをかんじる。えぇやん。

ただ綺麗な言葉を並べるのではなく、そもそものデザインそのものを「世間の常識(=文字は正しく配置されるべき)」から逸脱させることで、メッセージに圧倒的な説得力を持たせています。
うまーい

デザインのよいところ

この広告のすごさは、「トリガー→体験→解放」という導線が、極めてシンプルかつわかりやすく設計されている点にあるとおもう。

・ 「これはミス?」を誘発する「よい違和感」(トリガー)

  日常の風景である駅の看板。人々は基本的に広告なんて見ていません。しかし、「文字が真横に掲出されている」という明らかなエラー(違和感)を作られると、
人間の脳は「ん? 業者が貼り間違えた?」とバグを検知し、思わず足を止めてしまいます。

これが強力なトリガー。
人の興味をひくには、「よい違和感」が必要。


・コピーと体験の完全な同期(体験→解放)
  足を止めた人は、首を傾けたり、脳内で文字を反転させたりして、その「読みづらい文字」を読もうします。
これが体験につながり、記憶に残る。(体験)

  そして読んだ先にある言葉が、

「間違いじゃない。それでいい。」

  この瞬間、読み手は「貼り間違いじゃなかったんだ!」というアハ体験と、「人と違ってもいいんだ」という
メッセージの二重の納得感を得ます。(解放)

体験させて記憶に残らせ、
納得感で解放させる。

・補足説明としての「右下のロゴ」(アンカー)
  もし全体がただの真横なら、「本当に施工ミスなのかな???」と見る人に疑問をもたせてしまいます。
でも、右下の「『自分らしく』を応援します 学校法人 岩崎学園」というロゴ周りだけは、正しい向きで、しかも端正に配置されています。
これが「意図的にやっていますよ」という安心感(アンカー)として機能してる。

納得感の後に、安心感を与える。


 

実際のデザインに落とし込める要素

この広告から学べる、明日から使えるテクニックをまとめてみます。

・あえて「エラー」を起こして視線を奪う
  → 情報過多な現代では、綺麗に整ったデザインは風景と同化します。逆さまにする、見切れる、はみ出すなど、意図的な「バグ(違和感)」をひとつ仕込むことで、まず目を止めさせる(トリガーにする)ことができます。
「よい違和感」


ユーザーの「心のツッコミ」をコピーで回収する
  → ビジュアルで「えっ?」と思わせたら、その疑問に答える言葉をメインコピーに据える。デザイン(視覚)とコピー(言語)で漫才のような「ボケとツッコミ」の関係を作ると、メッセージが記憶に深く刻まれます。

・崩す時は、必ず「安心感のアンカー」を残す
  → 自由なレイアウトや奇抜なデザインをする時ほど、ロゴや企業情報などの一部の要素は「絶対的なルール」に則って配置する。
アンカー(錨)があるからこそ、崩した部分の「意図」を映えるし、奇抜すぎない安心感を与えられる。

(σ・ω・)σ きょうのまとめ

●トリガー(違和感)→体験(記憶)→解放(納得)……アンカー(安心感)の最強コンボ
●トリガーでよい違和感を与え、目を惹く
●体験させて、記憶に残させる
●納得感を与える意図説明をし、解放させる
●遊び心を入れる時は、正当なルールに則る(アンカー)

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たいが| 食品スーパーのバイヤー・デザイナー 記事が役に立ったら、応援していただけると嬉しいです。 いただいたサポートは、次の記事のための取材や資料代に使わせてもらいます。