ミニ心臓の鼓動を「聴く」新センサー
新薬の候補となる物質が心臓に安全かどうかを確かめる際、これまでは「平面で培養した心筋細胞」や「動物実験」が主流でした。
しかし、平面の細胞では人間のリアルな心臓の動きを再現しきれず、動物実験には倫理的な問題やコストの課題があります。
近年では、より人間に近い立体的な「ミニ心臓」を作れるようになりましたが、その微小な筋肉の縮む力を測るには、特殊なプローブ(針のようなもの)を直接接触させるか、高価な顕微鏡で一つずつ観察するしかありませんでした。これでは、何千、何万という新薬候補を一度にテストすることはできません。
東京大学などの研究チームは、ミニ心臓がドクドクと拍動すると、まわりを満たしている培養液の表面に、目に見えないほどの微小な「揺らぎ(波)」が生まれます。この液面の変化を直接触ることなく「空気圧の変化」として感知し、内蔵されたシリコンセンサーを介して電気信号(ワイヤレス)に変換するセンサーを開発しました。まさに、ミニ心臓の鼓動を「聴く」ような仕組みです。
これにより、新薬の開発スピードが向上&低コスト化、一度に大量の薬候補をミニ心臓でテストできるようになります。
『参考資料』
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/hubfs/press-release/2026/0629/001/text.pdf
