壁が結んだ、僕らの運動場
「この壁打ち運動場に惚れ込んで、引っ越ししてきた人がいたんです!」
この前、そんな驚くような言葉を、ある80歳を越した男性から直接聞いたんですよ。
その日、彼は私の左側に立っていました。そして、壁に向かって、信じられないほどの豪速球をバシバシと投げ込んでいたんです。私はといえば、その右側で「二刀流壁打ちテニス」の真っ最中。お互いに2人並んで、最初は黙々と練習を重ねていました。
そのうちにね、どちらからともなく、自然と挨拶を交わしたんです。本当に屈託がなくて、人柄の良い方で、いろんな話をしてくれました。
聞けば、若い頃から野球チームでピッチャーをやっていたそうです。それにしても、80歳にしてあの豪速球ですからね、私はただただ驚くばかり。ただ、やっぱり高齢者のチームだったこともあって、試合を続けるのが難しくなったとか。色々と、チームの事情があったのでしょうね。
そこで彼、なんと卓球に転向したそうなんです。ある人にその素質を見初められて、「チームに入らないか」と誘われたのだとか。もともと卓球なんてやったことがなかったのに、見抜かれちゃうなんて凄いですよね。驚くのはまだ早くて、今や現役で社会人の試合に出ているというお話なんです。いやあ、本当に凄いおじいさん(なんて言ったら失礼ですね!)に出会ってしまいました。
よくよく聞いてみると、彼はこの壁打ち運動場がお気に入りで、よく来るそうなんです。あの豪速球を、ここで壁に向かって投げるためにね。なんと、この場所が好きすぎるあまり、最近近くに引っ越してきたと言うじゃありませんか!
わざわざ壁打ち(正確には、壁投げか!)のために引っ越しちゃうなんて、世の中にはいろんな方がいるものですね。
でもね、その気持ち、私にはよーく分かるんです。私にとっても、この壁打ち運動場は、まさに「なくてはならない聖地」ですから。3年少し前の4月にここができてからというもの、私はもう通い詰めなんです。なんたって、私はここで「二刀流壁打ちテニス」をやっていますからね。あの引っ越してきた80歳の彼に負けないくらい、私にとっても人生に不可欠な場所なんです。
世の中には、70歳や80歳になると、運動から遠ざかってしまう人も多いものです。
でも、年齢を理由に諦めてしまうなんて、もったいないと思いませんか。むしろこれからの時代は、70歳になっても、80歳になっても、現役のスポーツマンを続けていくこと。それこそが、心も体も生き生きと輝かせるために、何より大切なことだと思うんです。
あの豪速球を投げる彼のように、そして二刀流テニスに励む私のように。みなさんも、何歳からでも遅くはありません、自分だけのスポーツを現役で楽しんでみませんか。






