80年代ヨーロッパディスコ美学
私が好きな音楽の話をすると、よく少し不思議そうな顔をされます。
最近のEDMやトランスではなく、私がずっと好きなのは80年代のヨーロッパディスコだからです。
シンセサイザーの音が前面に出て、少し哀愁があって、夜の空気をまとったような音楽。
それが私の心に一番しっくりくるのです。
例えば、
Self Control、
Unexpected Lovers、
You Spin Me Round (Like a Record)、
Tonight。
どれもシンセサウンドが美しく、どこか切なさを感じさせる曲ばかりです。
この「少し切ない感じ」が、私にはたまらなく好きなのです。
高校時代、私はユーロビートに夢中でした。
通学の自転車をこぎながらウォークマンで聴いていたのは、コンピレーションアルバム That's EUROBEAT や BEST DISCO。
けれど私の好みは、いわゆるヒット曲よりも、アルバムの中にひっそりと入っているような曲でした。
いわば「B面」のような存在の曲たちです。
派手ではないけれど、聴けば聴くほど味が出る。
メロディが美しく、夜の景色が浮かぶような曲。
そういう曲に、私はいつも惹かれていました。
近年はSpotifyやYouTubeで、当時の曲を探してはプレイリストを作っています。
That's EUROBEAT に入っていた曲だけではなく、その周辺の曲も集めていくうちに、気がつけばかなりの数になりました。
例えば、
Harlem Desire、
Rock Me Amadeus、
Extra など。
どれもコンピレーションに必ず入っているような曲ではありません。
けれど、この時代のヨーロッパの空気を感じさせてくれる大切な曲たちです。
不思議なことに、私はパラパラ文化のユーロビートや、最近のEDMにはあまり惹かれません。
ビートよりも、メロディやシンセサウンドの美しさに心が動くからかもしれません。
80年代のディスコ音楽は、踊るためだけではなく、聴いて味わう音楽でもありました。
そしてその音楽には、どこか夜のロマンのようなものがありました。
音楽には、その人の記憶を呼び戻す力があります。
私にとって80年代のヨーロッパディスコは、まさにそういう音楽です。
ウォークマンで聴いた帰り道の空気。
ローラーリンクで流れていた曲。
そして、高校時代の景色。
シンセの音が流れると、それらが一瞬でよみがえります。
流行は変わっていきます。
音楽のスタイルも、どんどん新しくなっていきます。
それでも私の中には、ずっと変わらないものがあります。
それは、シンセサイザーが響く、
80年代ヨーロッパディスコの美学です。
派手なヒット曲ではなく、
少し哀愁のあるメロディ。
夜の街を思わせるシンセの音。
そういう音楽が、これからもきっと、私の心の中で流れ続けるのだと思います。
