不正事件簿:KDDI 後編~不正を可能にしたものの正体【てりたま通信#85】
特別調査委員会は、KDDI子会社の循環取引はたった2人の従業員が実行したと判断しています。そんなことが可能なんでしょうか?
監査法人で30年強、うち17年パートナーを務めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
前回のてりたま通信では、KDDI子会社であるジー・プラン及びビッグローブによる循環取引の概要をお話ししました。
今回はその後編として、この不正の中身に斬り込んでいきます。
具体的には、以下の二つの疑問を起点に深掘りします。
なぜ、2人の従業員のみで、これだけの額の不正が可能だったか
👉不正の機会の問題なぜ、不正の発見は遅れたのか
👉ガバナンスと隠蔽工作の問題
1. なぜ、2人の従業員のみで、これだけの額の不正が可能だったか
8年にわたり総額2,461億円の架空売上高の計上。
年度によっては1兆円を超える資金移動。
こんなことが、役員でもない従業員2人にどうして可能だったのか。
この疑問に対して、調査報告書に挙げられている内部統制の問題を手がかりとし、次の3つの視点からひもといていきます。
なぜ2人だけで自由に循環取引が実行できたのか
取引規模が大きくなってもストップがかからなかったのはなぜか
それにしても、誰かおかしいと思わなかったのか
1.1 調査報告書による内部統制の問題
ここから先は
8,012字
/
10画像
