凸凹親子の日常 | スプラトゥーンで遊びたいのに…
3回遊んで泣く泣くさよなら
今から5〜6年前のコロナ禍の真っ最中、「STAY HOME」というメッセージもあったりで、家の中で過ごすことを余儀なくされていた頃の話です。「おうち時間」を充実させるためにNintendo Switchを手に入れるのも一苦労しました。
当時保育園児の息子にゲームは必須ではないですが、当時の職場で「あつまれ どうぶつの森」が流行っていたこともあり、自分のために本体とソフトを購入しました。
そしてずっと遊んでみたかった「スプラトゥーン」に挑戦する機会に恵まれました。ペンキを塗りたくって陣地を取るルールや、ゲームイラストも目を惹き、ずっと遊んでみたかったゲームです。当時の新作、「スプラトゥーン2」を買いました。
しかし、いざゲームをはじめてみたものの、気分が優れない。コントロールの難しさもありますが、視点の切り替えに苦労しました。いわゆる3D酔いです。
結局3回くらい遊んで断念しました。ゲームの楽しさを見出す前に、激しい3D酔いの前に断念しました。その後から今に至るまで、息子が散々遊び尽くしてくれているので、十分に元は取れています。
その意味では全く後悔はしていませんが、気になるのはこの3D酔いの親子差。どうやら私たち親子の抱える発達障害の凸凹と深い関係があったようです。
乗り物酔いのメカニズム
私は幼少期からあまり乗り物酔いをしたことがありません。強いて乗り物酔いするといえば、神奈川県鎌倉市にある「吊り下げ式モノレール」です。想像のできない揺れが頭を揺さぶり、気分が悪くなることもありました。
大揺れすると酔うこともわかっているので、今でも船釣りに出る時には、基本的に酔い止め薬を飲むようにしています。その甲斐があるのかどうかもわからないですが、激しく酔うようなことはありません。
乗り物酔いのメカニズムは、目からの情報と、
三半規管(内耳)が捉える平衡感覚(揺れや加速度)の間にズレが生じることで、自律神経がパニックを起こして冷や汗、吐き気、めまいを引き起こします。これは過去の車酔いの経験が影響して、思い込み(気の持ちよう)で症状を悪化させることも事実として起きるようです。
3D酔いと乗り物酔いの違い
乗り物と違って映画・VR・ゲームなどの3Dで作られたコンテンツは、乗り物に乗るでもなく座ったまま楽しめます。つまり目で見ているだけであり、平衡感覚(揺れや加速度)には影響していなさそうですが、それでも酔いは発生します。
乗り物酔いは視覚情報が固定されているのに、三半規管が揺れを検知してズレが発生して酔うのに対し、3D酔いはその反対の現象が起きているそうです。3D酔いは視覚情報が揺さぶられているのに、平衡感覚は固定されたまま。そのズレが同じく酔いに繋がるようです。
根元にある酔いのメカニズムは同じなのに、私は乗り物が平気で「スプラトゥーン」は酔いが発生します。そのヒントは、視覚情報と平衡感覚のどちらを固定しているかの違いにあります。
凸凹の差が酔いを増幅
私の発達障害の原因となるIQ(知能指数/WISC-IV)の凸凹は、知覚推理(凸)とワーキングメモリ(凹)の間に大きな相対的落差があるという特徴を持っています。息子は私と真逆で、知覚推理が低くワーキングメモリが高い特徴があります。
私の場合は、知覚推理が飛び出ている分だけ視覚情報を多く処理できます。しかし、ワーキングメモリが低いため、その視覚情報処理との間にズレが生じて3D酔いに繋がるようです。
息子の場合は、酔いのメカニズムが私と正反対になります。視覚情報よりも多くの情報を処理できるワーキングメモリを積んでいるため、脳の構造的に3D酔いが発生しづらいのです。
ただ息子の場合は、3D酔いはしない一方で乗り物酔いはしやすくなります。息子とは車でよく出かけるのですが、ドライブ程度ではほとんど酔いません。しかし、船釣りで少し波の高い日は、酔い止めを飲んでも酔うようです。
酔いを防ぐには
息子のような乗り物酔いの酔い対策は簡単です。酔いは視覚情報と平衡感覚のズレから生じるので、乗り物酔いではこの視覚情報を絶てば良いわけです。目をつぶるだけで症状を抑えられるようになります。
目をつぶることが対策、これは乗り物酔いも3D酔いも同様に効果が期待できるのですが、映画・ゲーム・VR等の3Dコンテンツは「目で楽しむ」ことを前提に作られています。つまり、3Dコンテンツの前で目をつぶることは、楽しむこと自体を諦めることを意味します。
うーん、残念です。でも市販の酔い止めは乗り物酔いだけでなく、3D酔いにも効果は見込めるようですね。乗り物酔い専用というバイアスで「酔い止め薬」を見てしまうと気付かないのですが、3D酔いも乗り物酔いと同じく酔いであることに変わりないので、酔い止めはいずれの酔いの対策として効くようです。
子供にはプラシーボ効果で対策
冒頭でも少し触れましたが、「酔い」は過去の経験が大きく影響するのも事実のようです。乗り物酔いをしやすいお子さんが、乗り物に乗るのを嫌がるようでしたらキャンディタイプの「酔い止め薬」を使うのもひとつの手です。
でも、まだ世の中の酸いも甘いも知らない小さなお子さんであれば、酔い止めだよと伝えつつ、普通の飴玉を与えるだけでも酔い止めの効果が期待できます。いわゆるプラシーボ効果です。
子供を騙すと言えば聞こえは良くないですが、純粋無垢な子供だからこそ通用する手段とも言えるわけです。もちろん大人でも騙し通せればこの手は有効です。詐欺は犯罪ですが、人を幸せにするための騙す行為は魔法です(多分)。
乗り物酔いも3D酔いも、その症状の個人差があります。定型発達のマジョリティであっても、酔いは発生するはずです。それこそ凸凹の差が正常の範囲内か否かの違いで、多少なりとも凸凹の影響はあるのだと思います。
ちなみに私は酔い止めを飲んでもスプラトゥーンはできないと思います。酔うという意識(経験)が強すぎて、薬を飲んだ程度で解消できるのかどうか怪しいです。息子の誕生日には「スプラトゥーン・レイダース」を買ってあげたのに、一緒に遊べる気がしません。
せめて今日は、この酔いのメカニズムを理解できた自分に気持ちよく酔うことにします。
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