[vol.20]発達障害のカミングアウト
我が子よ。いつの日か、父ちゃんのように「生きづらさ」を感じた時にこのブログを読んで欲しい。同じような特徴・性質を持つ父ちゃんが君に贈るギフト。この世を上手に生きていくためのバイブルとなりますように。
ザ・マジョリティの巣窟
発達障害を持って生まれてくる人の出現確率は10%前後と言われている。ということは、数万人の従業員を抱える、父ちゃんが所属するJTC(Japanese Traditional Company/ 日本の伝統的大企業)にも数千人はいるのだろうね。
発達障害の脳の仕組みというものがわかると、不思議と他人の行動・言動を見ているだけでも「もしかしてこの人もそうなのかな」と感じることが増えた。もちろん当人に聞くような不躾なこともしないし、それを他言することもない。でも確実に言えるのは症状は人それぞれ。全く同じ人はいない。
わざわざ「私は発達障害です」とカミングアウトする人も、父ちゃんの知る限りではいない。数千人もいるはずなのに、10人に1人の割合でいるはずなのに、それほど大勢いるようにも感じない。
まだまだ自分の特徴に気づいていない人も多いのだろう。無意識に擬態して、ごまかしながらうまくマジョリティ(定型発達の人)と共生できている人もいるのだろう。大企業というマジョリティだらけの空間で、マイノリティ(発達障害を持つ人)は息を潜めて必死にもがいているのかもしれないね。
戦略的カミングアウト
2026年4月、父ちゃんが心療内科の先生からADHDやASDをずっと抱えて生活していたことを打ち明けられて以降、このまま今のJTCに勤めたままやっていけるのか、すごく葛藤していた。ちょうどnoteでブログを書き始めた頃のことだ。
でも、2027年3月までという今年度の終わりまで期間限定、最後の悪あがきをすると決めた。それは今も変わっていない。せめてもの一矢を報いるためにも。
もちろん年度末を待たずに、全ての可能性が閉ざされたと判断したら即辞める気持ちもある。そこは一家を路頭に迷わすことがないように、今よりも良い環境・条件の仕事を見つけてからだ。幸いにしてJTCなんかよりも遥かに好条件のオファーはあるので心配はしていない。
ただ、今やるべきことはJTCに一矢報いること、この世に生きた証・爪痕を遺すこと。その野心のあるうちは賢く戦う選択をしなければならない。真正面からJTCに立ち向かっても爪痕を残すどころか、触れる前に弾き飛ばされるからね。
そこで、すごく悩んだ結果、同じ部署に所属する気の知れたメンバー数名にだけ、父ちゃんの抱える特徴を打ち明けた。カミングアウトだ。発達障害の特性を隠し続けたまま生きていく道もあったが、擬態したままではマジョリティの巣窟JTCを生き抜くのは困難だと思った。
苦手を克服する時間もないし、JTCというクソ相性の悪い縦割組織の中で生きていくには、理解ある仲間の存在が必要だ。だからカミングアウトした。懇切丁寧に伝えたつもりだ。そして父ちゃんの野心を実現するための協力者を味方につけた。
カミングアウトをし、部門内に協力者を探したのは、JTCに一矢報いる覚悟をより強固なものとするためだ。仲間がいれば裏切れない。仲間のためにも一矢報いたい。自分の野心に覚悟を持ちブーストするための戦略的カミングアウトだ。
静かにプランを温める
苦手な政治、相性の悪い人をとことん遠ざけ、新規事業のプランを練るための時間と環境を整えた。少なくとも今実現したいと思っていることを邪魔されることはない。
もちろん課題もある。それこそJTCの負債のような課題ばかりだ。興味はなくても政治ごっこをしている様子が目に入るのは気持ち良くはない。でも、うまく立ち回ってもらわねば、どんなに筋の良い新規事業のプランであろうと、投資ゼロで父ちゃんが身動きできなくなるリスクもある。
最低限の生存しているアピールは欠かさずに、しっかりと事業として成立させるための足場固めをしている。他プロジェクトも、必要とされて協力を求められれば応じている。
これまで無意識にしていた人前での擬態を封印することで、良いコンディションを維持しながら過集中(ハイパーフォーカス)モードをコントロールできている。こんなにまで一人で集中する時間を確保できるようになったのは、社会人生活でも初めてのことかもしれない。
変なこだわりと安堵感
怒涛の2025年を乗り越え、2026年に入ってからは仕事は落ち着いた。仕事だけで言えば完全に燃え尽き症候群の状態だった。3月くらいまでは本気で転職を考えていたくらいなので、今もこうして結果的にJTCに居残っているのも不思議な気はする。
1998年、22歳で社会に出てから何度となく転職はしてきたが、在籍したいずれの会社も必ず1回はサッカーワールドカップ期間を過ごしてきた。2026年、北米サッカーワールドカップを経ずしてJTCを去る可能性は十分にあり得たのに、結局在籍4年目でワールドカップ期間も過ごすというルールは守られた。
これはASDのこだわりで最低4年間は勤めるというわけではない。どちらかといえばADHDの多動や、HSS型HSPの熱しやすく冷めやすい本能の影響だろう。
でも、何も実現できずに辞めるのは悔しい。辞めずにJTCに残り、新たなる野心が芽生えたことにどこか安堵の気持ちもある。戦う相手はなんとも攻略し甲斐のある高難易度のJTCだからね。一矢でも報いたら十分な成果だ。
待遇も良くはない。価値も理解されていなければ、発揮する機会も乏しい。さらには職場環境や古からのシキタリは息苦しい。状況だけみればいつ辞めてもおかしくないよね。そんな日はもしかしたら明日来るかもしれない。自分で決めた2027年3月末かもしれない。
一方でこの不遇な環境にいたからこそ、日常の端々から滲み出る違和感を強く感じ取れたのかもしれないと思う。JTCは、父ちゃんが自身の特徴を深く分析するための最高のデータの集積地だったのかもしれない。
対極の環境に身を置けたからこそ、この経験を言語化して君に伝えるギフトとして残せるようになったのかもしれないね。そう思うとJTCにも感謝しなければいけないと感じている。
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