「利益が吹っ飛んだ。1mだと思った高低差が、2mあった。」
土地を仕入れるとき、
高低差はかなり気をつけて見ています。
造成費に、そのまま跳ね返ってくるからです。
それでも一度、完全に読み違えたことがあります。
立地は最高でした。
普段から仕入れをしていて、
出せばしっかり売れているエリア。
現地を見たとき、もちろん高低差があることには気づいていました。
ただ、
「1mもないくらいかな」
そう見ていました。
造成費も見込んでいた。
だからこの失敗は、
高低差を「見落とした」わけではありません。
見ていたのに、見方を間違えた。
そこが、この土地の怖かったところです。
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高低差は、どこを基準点「0」と見るか。
計画を進めていくと、
想定していた高低差と違うことが分かりました。
自分の土地だけを見ていると、1mもないように見える。
でも、隣地側も下がっていた。
そこまで含めて見ると、
実際の高低差は2mを超えていました。
さらに、もう一つ。
現地には、
石積み擁壁の上にブロックが積まれていました。
いわゆる二段擁壁です。
既存のものをそのまま使うのは難しく、
撤去して、新しくつくり直す必要がありました。
さらに宅地造成工事も必要になった。
ここから、当初の造成計画が崩れ始めます。
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「つくれるか」だけを見ていた。
もう一つ、大きな誤算がありました。
工事するためのスペースです。
隣地との離隔がほとんどない。
重機が入らない。
掘削ができない。
型枠も組めない。
図面だけを見ていると、
「ここに擁壁をつくればいい」
で終わります。
でも、現場では違います。
その擁壁を、どうやってつくるのか。
そこまで考えないといけない。
今なら当たり前に見ています。
でも当時は、そこまで読み切れていませんでした。
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造成費、プラス500万円。
高低差。
二段擁壁。
隣地との離隔。
一つひとつの読みの甘さが積み重なって、
造成費は当初の想定から、
約500万円増えました。
結果、その土地は赤字になりました。
売れなかったわけではありません。
立地が悪かったわけでもない。
むしろ、普段からよく売れているエリアです。
それでも、赤字になった。
造成費用の計画が甘かった。
原因は、そこでした。
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売れる土地でも、赤字になる。
土地の仕入れをしていると、
「いくらで売れるか」
に意識が向きます。
もちろん、それは大事です。
でも同じくらい、
「いくらかければ、売れる状態まで持っていけるか」
を読まないといけない。
土地を買って終わりではありません。
解体する。
造成する。
擁壁をつくる。
水道を引く。
区画を整える。
そうやって初めて、
お客さんに渡せる土地になります。
仕入価格をうまく読めても、
その途中にかかるお金を読み違えれば、利益は簡単に消えます。
この土地で、それを痛感しました。
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あの失敗から、高低差の見方が変わった。
それ以来、
高低差のある土地を見るときは、
「何mあるか」
だけでは見なくなりました。
どこを基準点0として見るのか。
隣地との高低差はどうなっているか。
二段擁壁になっていないか。
そして、
工事するための離隔はあるか。
重機は入れるか。
掘削できるか。
型枠を組めるか。
土地を見るだけではなく、
そこで実際に工事しているところまで想像する。
これが、僕の中ではかなり大きく変わりました。
高低差がある土地が、悪いわけではありません。
擁壁がある土地も、
全部避ければいいわけではない。
ただ、
造成費用の計画の甘さは、致命的です。
僕は一度、それで赤字になりました。
土地を見るときは、
目の前にある土地だけを見るんじゃない。
その土地をどうつくって、
どう商品にするのかまで見る。
500万円余計にかかったあの土地は、
今でも高低差のある土地を見るたびに思い出します。
土地を見る目は、
こういう失敗からもつくられていく。
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土地びと。|土地を見る目をつくる。
