もう一つの居場所#51
「岐阜県多治見で40.3度 初の酷暑日」
まるで気温を競うかのようなニュースが流れる。
(ほんま暑い……。)
そう思う毎日が続いている。
というより、最近は「暑い」を通り越して、日差しが痛い。
日課の夜のウォーキングですれ違う人が増えたのも、きっと日中の暑さのせいだろう。
夜でも一時間ほど歩けば汗だくになる。
そんな汗だくのまま飲むノンアルコールビールが最近のお気に入りだ。
もちろん、風呂上がりのビールは別格だけれど。
ゴルフ好きの同僚は、この暑さの中でも元気にコースへ出かけている。
その腕は「焼けている」というより、「焦げている」と言ったほうがしっくりくる。
先日、お客さんへ同行した際にも、
「焼けすぎてネパール人みたいやん。」
と笑われていた。
そんな暑い日々をやり過ごした週末。
私は、もう一つの居場所へ帰る。
暖簾をくぐり、
「あつ~。」
とひと言。
いつもの席に座り、本日のおすすめへ目をやる。
(おおお!! あるやん!!!)
先週はなかった夏のごちそう 「鰻」 の文字を見つけた。
「マスター、白焼きで!」
この時期は、やっぱりこれに尽きる。
毎回同じ注文。
でも、それがいい。



この日は常連さんから鯨の焼肉までおすそ分けしていただき、思いがけないごちそうにも舌鼓を打った。
7月も終わりに近づき、お盆休みの予定を考える。
きっとお盆も、この暖簾をくぐって白焼きを頼んでいる。
毎週同じような時間が流れ、毎回同じように「うまいなぁ」と思う。
それだけのこと。
でも最近は、その「それだけ」が、いちばん贅沢なんじゃないかと思うようになった。
暑い夏も、変わらず帰れる場所がある。
今年の夏も、それだけで十分だと。
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