褒めるだけじゃない。「承認」が自信を育てる
こんにちは。鷹取智子です。
企業向けにコミュニケーション研修やチームづくりの研修を中心に登壇しています。調剤薬局での勤務経験を活かし、医療機関や企業の現場づくりをサポートしています。
前回の記事では、部下の成長を支える第一歩として「観察すること」の大切さをお伝えしました。
今回は、その観察をどのように「承認」につなげていくのかについて考えてみたいと思います。
「褒める」と「承認する」の違い
「部下を褒めた方がよいのは分かっています。でも、何と声を掛けたらよいか分かりません」
研修では、このようなお声をよく伺います。
そこでまず、褒めることと承認することの違いを整理してみますね。
褒める:相手の行動や成果を「すごい」「よくできた」と評価して伝えること。
承認する:相手の存在や行動、努力、変化を具体的に捉え、「見ている」「大切に思っている」「認めている」と伝えること。
承認には、成果や行動を認めるだけでなく、相手の存在そのものを認める「存在承認」もある。
例えば、
・「おはよう」と名前を呼んで挨拶をする
・相手の話に手を止めて耳を傾ける
・体調や表情の変化に気づいて声を掛ける
こうした日常の関わりも、「あなたのことを気に掛けています」「あなたはこの職場の大切な一員です」と伝える存在承認です。
一方、行動や成長に対する承認には、
・「以前より報告が早くなったね」
・「忙しい中でも、新人に声を掛けていたね」
・「お客様の話を途中で遮らず、最後まで聴いていたね」
といった言葉があります。
大切なのは、日頃から相手に関心を向け、存在や行動、変化に気づき、それを言葉や態度で伝えることです。
なぜ事実に基づく承認が大切なのか
例えば、部下が難しい問い合わせに対応したとします。そのとき、
「今日の対応、よかったよ」
と伝えるだけでは、本人は何がよかったのか分からないかもしれませんよね。
「今日のお客様対応、まず相手の話を最後まで聴いていたね。その後、確認しながら説明していたので、お客様も心をすぐに開いてくれたように見えました」
このように具体的に伝えると、部下は「自分のどの行動がよかったのか」を理解できます。その結果、望ましい行動を再現しやすくなるのです。
それに、上司から見てもらえていると思うと、素直に嬉しいのではないでしょうか?「きちんと見てもらえている」という実感は、自信や信頼感にもつながります。
やる気や自信を引き出す伝え方
行動・変化を承認する際は、次の順番を意識すると伝えやすいです。
事実+相手や周囲への影響+感謝や感じたこと
例えば、
「今朝、忙しそうな新人さんに自分から声を掛けていたね。あの一言で、新人さんも質問しやすくなったと思います。周囲を見て動いてくれて、ありがとう!」
また、以前は報告が遅れがちだった部下には、
「今日は問題が起きた段階ですぐに報告してくれたね。早めに共有してくれたので、こちらもすぐに対応できました。以前より報告のタイミングが早くなっていますね」
と伝えると、言われた部下も納得できますし、嬉しいのではないでしょうか。
「すごいね」「成長したね」という評価だけではなく、何を見てそう感じたのかを添えることがポイント。
本人が当たり前だと思っている行動も、上司から具体的に伝えられることで、自分の強みとして認識できることにもつながりますよ。
「観察・事実・承認」のサイクルを回す
承認は、思いついたときだけ行うものではありません。日頃から部下に関心を向け、小さな行動や変化を見つけ、それを言葉にして伝える。このサイクルを繰り返すことが大切です。
観察する
↓
具体的な事実を見つける
↓
事実に基づいて承認する
↓
部下の安心感や自信、意欲が高まり、新たな行動につながりやすくなる
↓
新たな行動や成長を再び観察、承認する
立派な言葉を伝える必要はありません。
「相手の反応を見ながら、話す速さを変えていたね」
「昨日お願いした仕事を、期限より早く共有してくれたね」
「書類の記入スピードが、以前に比べて速くなったね」
このような短い言葉でも十分。
人は、自分の存在や努力、変化を見てもらえていると感じたとき、安心して力を発揮しやすくなります。そして、「次もやってみよう」という気持ちが生まれます。
観察は、承認するための材料を見つけること。
承認は、観察した事実を相手に返すこと。
今日、部下や後輩に関心を向け、存在や行動、変化を一つ見つけてみてください。そして、気づいたことを具体的な言葉や態度で伝えてみてください。
その積み重ねが信頼関係を育み、相手の成長を後押しします。
そして皆さんご存じのとおり、部下の成長を支えるためには、承認だけでなく、改善点や今後への期待を伝えるフィードバックも必要ですよね。
フィードバックについては、別の記事でお伝えしたいと思っています。
★コアブルーム株式会社 HPはこちらをご覧ください
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートいただけたら嬉しいです。良い記事を書くための書籍代にさせていただきます♡