捨てられていたCDが、ブラジルの海を見せてくれた ― 「イパネマの娘」と出会った日 ― 2026年7月23日(木)R8
今日はリハビリの部屋でいただいた、捨てられるはずだったCDの中から、「イパネマの娘」という曲を聴いた。
ケースには「ギター」と書かれていたので、最初は情熱的で激しいギター演奏を想像していた。
ところが流れてきたのは、驚くほど静かでやさしい音色だった。
波が静かに寄せては返すようなリズム。
その音を聴いているうちに、「イパネマって何だろう」と気になった。
調べてみると、ブラジル・リオデジャネイロの海岸沿いの美しい街の名前だという。
この曲は、その海辺を一人の若い女性が歩いていく姿を見つめながら生まれた名曲だった。
私はブラジルへ行ったことはない。
それでも音楽を聴いていると、青い海と白い砂浜、穏やかな風、ゆっくり流れる時間が自然に頭の中へ浮かんできた。
音楽には、行ったことのない場所へ心を連れて行ってくれる力があるのだと改めて思った。
実は私は、昔少しだけギターを弾いていたことがある。
しかし鍼灸師になった時、先生から「指先の感覚が何より大切だから、弦楽器はやめたほうがいい」と言われた。
英語教師と鍼灸師という二つの仕事を続けるために、私はギターを手放した。
今でも少しピアノを弾いたり、大正琴を楽しんだりしているが、ギターのやさしい音色を聴くと、あの頃のことを思い出す。
もしあのままギターを続けていたら、この曲を弾いてみたいと思ったかもしれない。
リハビリの部屋で偶然出会った、捨てられるはずだった一枚のCD。
その一曲が、遠いブラジルの海を想像させ、昔の自分まで思い出させてくれた。
音楽は、目の前にない景色まで見せてくれる。
だから私は、新しい曲に出会うたびに、まだ知らない世界への旅をしているような気持ちになる。
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