舌の上の白。
口内炎は、神々が作り出した原初の罪なのではないかと疑っている。
むしろあいつら自分たちに対処できないから僕らに押し付けたんじゃないか?いや待て、僕は無宗教の人間だ。そんな阿呆なことがあってたまるか。
急に世迷い事を書き連ねて一体全体こいつはどうしたのだ、何を言い出すのかと思うかもしれないが、僕は今、口内炎に悩まされている。
とにかく口内炎はつらい。舌の上だろうが下だろうが頬の内側だろうが歯茎だろうがどこにあってもつらい。風邪とは別種のつらさがある。喉奥にできた時はこの世の絶望を全て煮詰めたようなつらさに襲われる。何よりもつらいのはご飯が美味しく食べられないことだ。おい神様、人間の設計図間違えてるぞふざけるな。いや、僕は無宗教。
ちなみに今回の僕の口内炎は舌の上にできた。舌の上の白である。こんな嫌な坂の上の雲があってたまるか。
舌の上に口内炎ができると何を食べても痛い。しかもそんな時に限ってトチ狂って帰りにスーパーで見たちょっと安いオレンジジュースを見て「あ、美味しそう☆」なんて考えて思わず買ってしまった。消極的な自殺行為をしていることに気付いていない。仕事帰りのIQなんて普段の半分もないからそんなもんか。うん、そんなもんだ。
こうなるともう頼るべきは塗り薬になる。
しかしながら塗り薬は頼りにならない。急に逆進次郎構文みたいになったな。
とにかく、考えてみて欲しい。
夜、寝る前に薬を塗りたくる。
でも眠りに落ちる前に口の中で明らかに薬が溶けて患部から外れてる感覚がある。本当に効いてる?大丈夫?って布団に包まりながらそわそわしつつ眠りに落ちる。
朝起きたら案の定治っておらず、肩を落とす。
この繰り返し。ちなみにこれは昨晩から今朝までの出来事のダイジェストでもある。寝て起きてのダイジェストとはこれ如何に。
とにかく、薬を使ったとて治った時には時間がかかり過ぎて「これは薬のおかげではなく、自然治癒ではないか?」と思ってしまう。
でも薬を塗りたくらない選択肢もない。だって一刻も早く治って欲しいもの。
もしかしてプラシーボとわかっていて売ってるんじゃないか?なんて言おうと思ったけど神のような製薬会社様方を敵に回すわけにはいかない。
貴方様方のおかげで私のような卑しい身分の者でも生きながらえさせていただいております。
いや待て、神ってことはやはり敵か?いえ、滅相もございません、単なるジョークです、ジョーク。
そんなこんなで今冷蔵庫には封を開けていないオレンジジュースが眠っている。今ならうまくしゃべれず「おれんじじゅーしゅ」って言っちゃいそう。
早くオレンジジュースを美味しく飲みたいなァ……
そう思いながら今日も僕は薬を塗りたくって布団に入る。
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