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🇷🇴România mea (2) 天才ピアニスト カール・フィルチュを育てた母なる教会



鐘楼

一番上まで登ります




狭い石の階段を一段ずつ上がるたびに、遠い時代へ遡っていくような気がしたのです。

狭くてきつい石の階段を登って行きます。


ハシゴに近い階段
ちょっとこわい


辿りついた!
ふむふむ、こうなっているのね。
(全くわかりませんが)
長い歴史の時を知らせてきた鐘を間近に見てから、さらに梯子を登って行きます。
やっと東西南北に小窓のある天辺の部屋に着きました。
もしかして
カールもこの景色をみたのかしら
鐘のあるお部屋から撮影した写真






眼下には、赤い屋根の並ぶ静かな町。
やわらかな光。


「カールは、この鐘の音を子守唄のように聞いて育ったのね」

ふと、わたしは19世紀に
タイムスリップしたような気がしました。

鐘の大きさが
お分かりいただけるかしら・・・?



セベシュ福音教会


天才ピアニスト、カール・フィルチュ。
彼は1830年5月28日、
この町ミュールバッハ(現在のセベシュ)で生まれました。
父ヨーゼフは、この福音教会の牧師でした。


セベシュ福音教会の祭壇と洗礼盤を写した古い絵葉書。



カールは教会の鐘の音を「音楽の先生」と呼んで大きくなったのです。


Dr. Radu Totoianu から、
セベシュの歴史をまとめた貴重な本をいただきました。

そこには、この教会が
13世紀から15世紀にかけて建設されたこと、
そしてロマネスク様式とゴシック様式が
混在していることが書かれていました。

時計台がある方がゴシック建築
後方のどっしりした部分はロマネスク建築


最初、教会の模型を見た時に
「なぜ混ざっているのだろう」と不思議に思いました。

それは長い歴史の中で、
教会が少しずつ増築され、
壊れ、
再建され、
時代ごとの祈りを受け止めながら生き続けてきた証だということがわかりました。

ゴシック建築とロマネスク建築
その両方が、一つの教会の中に息づいています。

実際にその場に立った時、
ただ「美しい教会」というだけではない、
時間の層のようなものを感じたのも
深い訳があったのです。

モンゴル侵攻。
宗教改革。
ザクセン文化。
ルーテル教会への変化。

そうしたヨーロッパの歴史が、
静かに石の中へ積み重なっています。

だからこそ、
カールの音楽もまた、
単なる「天才少年」の物語ではなく、
この土地の深い祈りと長い歴史の空気の中から生まれてきたものなのだと感じました。

鐘楼から見たセベシュの町は、
驚くほど穏やかでした。

けれど、その静けさの奥には、
何百年もの時間が、
確かに流れていたのです。

これからも、ずっと。




パイプオルガン

さて、パイプオルガンは中世カトリック教会にもありましたが、
今の形の「大きな教会オルガン文化」は、特にドイツ・ルター派の世界で大きく発展しました。

なぜならルター派は、

• 会衆賛美
• コラール(讃美歌)
• 音楽教育

を非常に大切にしたからです。


つまり、

「皆で歌う信仰」

なんですね。

その支えとして、
パイプオルガンが重要になりました。

だから、
J.Sバッハの音楽文化も、
まさにこの流れの中にあるのです。

セベシュ福音教会のオルガンも、
おそらく現在の姿になったのは、
宗教改革後、
ルーテル教会としての時代の可能性が高いと思います。

特にトランシルヴァニアの 
ザクセン系教会は、
ドイツ文化圏とのつながりが強かったので、

• ドイツ風オルガン
• ドイツ系オルガン職人
• バロック以降の改修

が入っている可能性があります。

そして、とても大事なのは――

カール・フィルチュは、
この空間で、
このオルガンの響きの中で育った、
ということなんですよね。


鐘。
讃美歌。
残響。
石造建築の響き。

そういうもの全部が、
彼の「耳」を作ったのだと思います。

だから、萩原千代ちゃんがそのオルガンを弾いている時、

「時代を超えて響きが戻ってきた」

と思えたのです。


オルガンの向きに注目!
千代ちゃん自作の「愛のうた」が
教会内に優しく響きました。
パイプオルガンの中



「カールが聞いたかもしれない響きが、
時を超えて、再び教会に満ちていく。」

そんな思いになりながら、
私は教会のベンチに静かに腰を下ろしました。

パイプオルガンの音は
高い天井へ昇り、
石の壁に反響し、
神さまの惠とともに
私の身体の奥深くへと沁み込んでいきます。

心も身体も、その響きに委ねていました。

多翼祭壇

教会のキーパーソンのミカエルさん
胸元に当ててくれているのは
教会の鍵 大きいです。


祭壇の壁画を変えてくれました。
1524年〜1526年の制作された
トランシルバニアで最も価値の高い
多翼祭壇の一つです。

多翼祭壇とは
・中央の主要な聖画
・左右の開閉する翼板
・祭日によって開いたり閉じたりする

とても豪華な祭壇だそうです。

母の日礼拝

 日曜日に礼拝に出席しました。
こんなに大きな教会ですが
出席者は30人弱。

それでも、
共に主を賛美し
共に主の祈りを唱えました。


帰りに、扉の前で
牧師が
一人ひとりに祝福をくださり、
母の日を記念して
赤いガーベラをくださいました。



教会の鐘の音が
教会のオルガンの音が
カールを
やがて「天才」と呼ばれるピアニストに育てたのです。

#ルーマニア  
#セベシユ
#カール・フイルチユ
#福音教会
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