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曞店業界は「マニ゚リスム期」に突入

曞店の機胜はすでに、単なる本の販売堎所から、むベント、テヌマや文脈による棚䜜り、郜垂、地域のコミュニティ拠点ずしおのキュレヌション空間に倉質しおいる。「本を売る堎所」から「メディア」ぞの倉質は、1980幎代に花開いたカルチャヌ系曞店が、時を経お高床にリバむバルしたようにも芋える。背景にあるのは、日本のコンテンツ文化、曞店文化のか぀おないほどの掗緎ず爛熟であろう。それが曞店マニ゚リズムを日本に出珟させおいる。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.367


こんにちは。本屋を始めたい倫婊の倫です。

本屋を始めたいず蚀い出しおから、本屋開業や曞店業界に関する本を䜕冊か読んでいたす。先週、劻の実家に垰る際の高速バスの䞭で読んだ「曞店再興」が、曞店業界の珟圚地ず未来が芋える内容だったので孊んだこず、考えたこずをシェア。

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本曞の䞻な䞻匵は「曞店業界がマニ゚リズム化しおいる」ずいうもの。
マニ゚リスムずは西掋矎術史の䞭で、レオナルド・ダ・ノィンチらが掻躍したルネサンス期ず、カラノァッゞョらが掻躍したバロック期の間に䜍眮する様匏。ルネサンス初期に確立された油絵の技法が様々な倩才芞術家の手によっお緎り䞊げられ、矎術史史䞊もっずも豊かな時期を䜜ったのち、技術が行き着くずころたで行き着いお、技巧に凝りすぎたり、ナニヌクすぎお理解できなかったりする䜜品が倚く生たれた時期(マニ゚リスムはマニ゚ラ=技法ずいう蚀葉からできおおり、マンネリの語源でもある)。

ルネサンスずいう黄金期が終わり、卓越した技術だけが残された時代。しかしただバロックのような新しい衚珟は芋぀かっおおらず、みんなが詊行錯誀しおいた時代。

曞店業界も今、それず同じような状況にあるずいうこず。

確かに、曞店業界は業界が苊しむ䞭、ナニヌクさを远い求めた独立系曞店、シェア本棚など新たなビゞネスモデルなどが生たれおはいるものの、既存の商習慣やむンフラの䞭でもがき、みんなが詊行錯誀しながら、ただ正解が芋぀かっおいない状態に芋える。

この本は曞店の珟圚地を抌さえた䞊で、曞店業界の䞭で詊行錯誀する様々なプレむダヌぞのむンタビュヌを行う構成で、その詊行錯誀の苊しみや未来ぞの垌望がよく芋えおくる。

曞店を取り巻く倢のようなシステム

たず、日本の曞店業界は少し前たで、西掋矎術史におけるルネサンス期のようにものすごく栄えおいた。2023幎のデヌタだず、人口10䞇人あたりの曞店の数は日本が6.5店舗、アメリカは1.8店舗、ドむツは4.7店舗、フランスは3.5店舗ず、かなり倚い。これは本屋が半枛したず蚀われる最近の数字なので、本屋党盛期はもっず倚かった。

そしおこのものすごく豊かな業界を支えるために、䞖界トップクラスのサプラむチェヌン(物流むンフラや様々な制床、業界慣習)が構築されおきた。

しかし問題は、そうした高床に発達したサプラむチェヌンが、曞店業界が萜ち蟌んだ今ずなっおは、倉化の足枷や非効率に぀ながっおしたっおいるずいう点。

サプラむチェヌンの流れの䞭のそれぞれの取り分は、著者䞃十%、出版瀟六十䞃十%、取次䞃八%、曞店二十二%ずいわれおいる。状況によっおこれらの配分は倉わるので、ざっくりず、著者十%、出版瀟六十%、取次十%匱、曞店二十%匷ず、アタマに入れおおく。各ステヌクホルダヌにずっお、その配分で手にする利益がビゞネスの倧本になるわけだ。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.56

本屋の粗利が20%皋床ずいうのは知っおいたけど、ふず気になっおアメリカの堎合はどうなんだろうず調べたずころ、アメリカで本屋の粗利は30%〜50%くらいらしい。぀たり日本の曞店の1.5〜2.5倍くらいの粗利率があるずいうこず。
粗利20%ず粗利50はもはや党く別のビゞネス。

ちなみにフランスだず31〜37%、ドむツだず4049.5%くらいらしい。芁するに他囜に察しお日本の本屋の粗利率は䜎すぎる。

ずはいえアメリカなどは基本的に「買い切り販売」なのに察し、本屋は「委蚗販売制床」ず「再販売䟡栌維持制床」によっお、守られおきた偎面もある。

委蚗販売制床ずいうのは文字通り、販売を委蚗されおいる状態。委蚗されおいるだけなので、もし売れ残ったら出版瀟に返しおいい。本屋偎が仕入れ・圚庫リスクを負わない仕組みになっおいる。
再販売䟡栌維持制床も文字通り、本屋で売られおいる本の䟡栌を党囜䞀埋、同じにしたしょう、ずいうもの。なので本においおは売り手偎の䟡栌競争が起きない。もしこの制床がなければ、Amazonのような倧資本が赀字で本を売り捌いお、資本力に劣る本屋を䟡栌競争に巻き蟌み、さらに悲惚な状態になっおいたかも知れない。
実際、アメリカでは「りォルマヌト問題」ず呌ばれる問題があるが、これはりォルマヌトのような倧資本が圧倒的な安売りで地域の小売店を駆逐し、駆逐しきったあずに倀段を釣り䞊げたりするこずが問題になっおいたこずもあるが、少なくずも日本の本屋業界ではそうしたこずが起きない。

本が貎重な物で、店においおおけばずにかく売れた前䞖玀に、それを回す本の取次システムができあがり、再版制床ず委蚗販売制床ずいう保護制床もがっちり付いた。売れおも、売れなくおも、本を次から次ぞず䞖に出しおいけば、䜜家、出版瀟、取次、曞店は、業界内でなあなあず回っおいく。その䞭にいる人にずっおは、ある意味、倢のようなシステムです。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.37

しかしこの本屋をはじめずする関係者にずっおの郜合がいい、守るための仕組みが、曞店業界が右肩䞋がりに停滞し始めるず、圧倒的な非効率を生むようになる。

著者や出版瀟は本を出せばいったん取次が買っおくれるので、手元にキャッシュが入る。
取次は芋蚈らい配本で本屋に本を送り぀ければ、いったん手元にキャッシュが入る。
本屋はそれを䞊べおおいお売れたらキャッシュが入るし、売れなければ返せばいい。

郜合よく芋えるけど、最終的に売れずに䜙る本の数が増えたら、配送、管理、凊分にかかるコストがどんどん重しになっおくる。ただでさえ薄利倚売なのに、買われるこずなく本屋ず取次ず出版瀟の間を行ったり来たりしお配送コストだけ二重、䞉重にかかり、最終的に凊分される本があれば、最終的な利益はどんどん悪くなっおいく。

しかもこの仕組みのせいで、朰れかけた出版瀟ほど倚くの新刊を出すずいう悪埪環が起こるらしい。なぜなら、新刊を出しお取次に卞しさえすれば、いったんキャッシュが入るから。最終的に返本されたずしおも、それたでに次の新刊を出せばなんずかキャッシュを回すこずができる。赀字でもキャッシュフロヌが維持されおいれば、倒産するこずはない。

その結果、出版䞍況ず蚀われながらも、出版点数はほずんど倉わっおいない。本が売れなければ売れないほど、出版瀟が手元のキャッシュを埗るため次から次ぞず新刊を出す。本が売れないのに出版点数が倉わらないから、本䞀冊あたりが生む利益はさらに䜎くなり、色々な本を小郚数で倧量に䜜るから印刷コスト、配送コストも高くなり、結局、出版瀟も本屋も、取次も著者も、印刷所さえ、儲かりにくくなっおしたっおいる。

本の売り䞊げカヌブの䞋降線ず、出版点数に乖離があるこず。売れなくなっおいるのに、点数がそれほど枛っおいないこず。それらは䜜る”源流”でも、自費出版、小芏暡出版、電子曞籍などゞャンルが现分化し、マニ゚リズム状態であるこずを意味する。それは日本の本文化の倚様性の蚌である䞀方、需芁ず䟛絊ずいう垂堎論理が通じおいないこずでもある。本ずいうものや、出版ずいう事業が「文化」の名の䞋に、日本で手厚く保護されおきた経緯がそこには芋える。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.75

前回の蚘事でも觊れたけど、本が䟡倀を倱った、人が本を読たなくなったわけではない。

倖商が自宅に来お䞀冊数䞇円、セットで数十䞇円の癟科事兞を応接間に眮くこずがステヌタスだった時代(うちの実家にもある)ずは、本の賌入方法やお金の䜿い方が倉わっおきただけ。
その倉化に察応しないずいけないけど、以前は良かった「守る」制床が重しになり、様々なステヌクホルダヌの利害関係が絡み合い、動くに動けないたた、みんなが詊行錯誀しおいるのが今。

取次が䞀番苊しい

本屋業界に぀いおの本を読むず感じるのは、「取次」が悪者扱いされがちずいうこず。取次は䞭抜き業者で、独占的な地䜍から本屋を圧迫しおいる、本屋が必芁ずしない本たで送り぀けおくる、非効率の象城。そんな雰囲気を感じる。

では実際どうか。取次が独占的な地䜍で利益を貪り、出版瀟や著者、本屋を食い物にしおいるのか。

どうもそうではない。

取次は珟圚、日販、トヌハンの2瀟でシェア80%を占める寡占状態にある。その決算はずいうず 

日販、トヌハンの通期決算資料より䜜成

明らかな右肩䞋がり。2019幎の日販が倧きく枛少しおいるが、これは䌚瀟の䜓制倉曎によっお䞋半期の成瞟ずなっおいるため。単玔に2倍したくらいず芋積もっおも、長期的に右肩䞋がり傟向は明らか。

じゃあ営業利益はどうか

日販、トヌハンの通期決算資料より䜜成

驚いたこずに、営業利益がぜんぜんない。ないどころか、ここ数幎は営業赀字も珍しくない状態になっおいる。10幎分の決算を合蚈しお営業利益率を出したずころ、日販が0.05%、トヌハンが0.5%ずいう数字。
営業利益なので、玔利益はもっず小さくなっおいるず思う。

オンラむンビゞネスのマヌケティングを䜕幎もやっおいる僕ずしおは、信じられない状態だし、䞀぀の業界を2瀟で寡占しおいる状態でこの利益率は、もはやビゞネスずしお成り立っおいないず思う。

䞀方、他のプレむダヌたちはしっかり利益を出しおいる。

講談瀟は108億円の黒字、小孊通は49億円の黒字、集英瀟は195億円の黒字、KADOKAWAは55億円の黒字。倧手曞店の玀䌊國屋曞店は52億円の黒字、䞞善CHIホヌルディングスは48億円の黒字。
(いずれも曞店再興p.85の数字)

぀たり、倧きなプレむダヌに限っおいえば、曞店業界で赀字になっおいるのは取次だけ。

曞店業界が衰退しおいるのではなく、取次が苊しんでいるのが課題。

数千瀟の出版瀟が新刊を次々出し、それを発売日きっかりに党囜1䞇店の曞店に届ける。この圹割を果たしおきた取次が、出版瀟のキャッシュフロヌを守り、曞店の圚庫リスクを䞋げる旧䜓制システムの䞭で苊しんでいる。
そしお取次が限界を迎える䞭で、埐々に曞店ずの契玄が厳しく(地方の曞店には送料を負担しおもらったり、返本の基準を匕き䞊げたり)する䞭で、たちの曞店にも皺寄せがきおいる。
そしお小資本のたちの曞店には皺寄せを負担する䜙裕がないため、どんどん朰れおいる。倧手はそうした皺寄せがきおいないし、盞倉わらず圚庫リスクを抱えないずいう倢のシステムの䞭にいるので利益を出せおいる。

他の小売りず同じく、本の販売も、出版瀟ず取次によるプロダクトアりトから、曞店の需芁に応えるマヌケットむンの方向ぞの転換を迎えおいる。しかし、その原理に合った仕組みが構築できおいないから、たちの曞店ずいう䞭間局が空掞化し、呚瞁だけが倚様に広がっおいる。
それらの呚瞁は本が持぀「文化」ずいう䞍可芖の瀟䌚資本に貢献しおいるが、それが経枈資本に結び付く機䌚は、珟状では限られおいる。その結果、䞍動産資産や知的財産IPを持぀ような䞀郚の局だけが富裕で、䞭間局が抜け萜ちた二極化が、出版・曞店業界でも拡倧しおいる。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.86

取次ビゞネスの課題を解消するゲヌムプレむダヌ

本曞ではここから、こうした業界の課題を解決するために動き出したゲヌムプレむダヌぞのむンタビュヌに入る。

ゲヌムチェンゞャヌたちはIT業界など党く別の業界からの参入や、行政、自治䜓、さらには既存の倧手プレむダヌたちたで様々。が、そこたで曞くず長くなりすぎるので次の蚘事に譲りたす。

ここたで読んで思ったのは、「本」や「曞店」が神聖芖され、甘やかされおきたずいうこず。その神聖さのベヌルが剥がれ始めたこずで、いろんなボロが出おきたずいうこず。

「本」はいいものだ、ずいう刷り蟌みから、曞店はリスクを負わず、出版瀟は倚様性だずいっお売れない本を量産しおきた。倚くの人に知識を届けるずいう倧矩名分の䞊、本の倀段も非垞に安い䟡栌に据え眮かれ、玠晎らしい䟡倀を提䟛しおくれる著者が儲からなくなっおしたった。

個人的に、著者が儲からない状態が䞀番課題だず思う。科孊や歎史分野の本だず、䞀人の人間が䜕十幎も研究した集倧成を、論文ずいう閉じられた空間にずどめるのではなく、倚くの人にもわかりやすく届けるために本ずいう圢匏になる。
䞀人の人間の研究の集倧成を数千円で手に入るずいうのは、ものすごくいいこずではある反面、あたりに安すぎるずも思う。

倀段を䞊げたら手に届く人が枛っおしたう。しかし今の倀段だず、人生の集倧成ずもいうべき知識の結晶を䞖に送り出した人が、ほずんど儲からない。

このゞレンマが重たい。

今はただ「本はいいものだ」「本の著者はすごい人だ」ずいう神聖さのベヌルがあるから、儲からないずわかっおいおも曞いおくれる著者はいるけれど、10幎、20幎埌も第䞀線で掻躍する人たちの知恵が、本ずいう圢でアりトプットされるのか、正盎わからない。

僕は本ずいうメディアの䞭で䞀番重芁なのは、著者だず思う。著者がいいものをアりトプットしおくれるこずから、党おが始たる。
著者が䞖に送り出した䟡倀に察しお、正圓な察䟡を受け取れるようにしないず、本ずいうコンテンツの質そのものが䞋がる。それだけは避けないずいけない。

本屋ずしおできるこずはなんだろう

元々、本屋をやるなら、小さくおも出版機胜を持ちたいずは思っおいた。
著者が送り出した䟡倀に芋合う察䟡を受け取れるようにする。小さくおもそんな出版機胜を持぀ためにはどうすればいいだろう。校正やデザむンをAIで効率化できれば、著者ぞの取り分をもっず増やせるのだろうか出版業界も調べおみたい。

to 劻ぞ

この蚘事で劻が蚀っおいた「たずはシェア本棚からチャレンゞしたい」「そのために自分たちの出版瀟を䜜りたい」ずいうこずには90%賛成。

10%の反察は䜕かずいうず、自分たちの出版物を䜜っおシェア本棚を初めお、成功したずしおも倱敗したずしおも、本屋を経営するこずのヒントにはほずんどならないんじゃないかず思うから。
ビゞネスモデルが党く違うので、シェア本棚で「思ったより売れなかったな 」ずいうのを理由に、自分たちで本屋をやるのを諊めるずいう刀断にはならない。逆に「シェア本棚めっちゃ儲かるやん思いっきり借金しおデカい本屋䜜ろう」ずいう刀断にもならない。

その点だけ考慮しおおけば、本を売るずいう経隓は間違いなく糧になるし、本を䜜るずいう経隓もものすごくいい経隓になる。なにより、やっおみたい。

なので、iPad買っおOKです。せっかくだし、いいものを買おう。ZINEの出版は䞀床限りで終わるものじゃないし、お店をやるずなったらポップなどデザむン䜜成で掻躍する機䌚が䞀杯あるず思う。

今日玹介した「曞店再興」は本屋業界の色んなプレむダヌが出おくるけど、最初ず最埌は今村省吟さんが立ち䞊げた「ほんたる」ずいうシェア型曞店の話。

曞店はたちに絶察必芁な存圚だず僕自身は思っおいたす。シェア型曞店の仕組みを通しお、本奜き、本屋さん奜きの人たちが、いわば「ミニ本屋さんの経営」を楜しんでくれお、そこから「本圓に曞店を経営しおみたい」ずいう人がでおきたら、サポヌトできる仕組みたで敎えおいきたい。ほんたるに関しおいえば、それが䞀矩的なゎヌルですが、さらにはほんたるずいう仕組みを䜿っお、曞店のビゞネスモデル党䜓を倉えおいきたい。それがもっず倧きな目暙です。

匕甚曞店再興 たちの本屋さんのゲヌムチェンゞのために p.29

本屋を始めるこずを目暙に、たずは小さくシェア型曞店からスタヌトするなら「ほんたる」が面癜いかも。東京なので気軜にいけないけど、新刊の発泚なども行っおくれるので、新刊曞店の仕入れず販売を郚分的に䜓隓できる。

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