相手のセリフの、どこに反応しているのか
相手の発言すべてに
反応しているわけではない

前回の記事では、相手の反応を受けて、
人物が次の行動を選ぶ流れを取り上げました。
今回は、その一段前にある
「何に反応したのか」を見ていきます。
相手のセリフには、
複数の情報が含まれています。
新しく知らされた事実、
言葉を選んだ意図、態度の変化など、
注意を向けられる箇所は一つではありません。
人物がどこに反応したかによって、
続く一言で強く伝わる言葉や、
相手への注意の向け方が異なります。
相手のセリフを漠然と受けるのではなく、
どの情報に反応したのかを特定します。
今回は、返す言葉の
きっかけとなった情報を
具体的に捉えていきます。
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初めて知った方は、自己紹介記事も
あわせてご覧ください。
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発信の考え方をまとめています。
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相手のセリフの、
どの情報に答えているのか
例えば、相手から次のように
言われたとします。
「今日は仕事で失敗したし、
電車にも乗り遅れた。
でも、君に会えてよかった」
この後に、
「私も会えてよかった」
と返すのであれば、
人物が注意を向けたのは最後の言葉です。
一方で、
「仕事、大丈夫だったの?」
と返すなら、
失敗したという情報に反応しています。
一つのセリフに
複数の話題が含まれていても、
その全てに同じ強さで
答えるわけではありません。
人物が拾った情報によって、
その後に扱われる話題も変わります。
別の場面で、
「明日の会議には出ない」
と告げられた後に
「どうして?」と返す場合も
考えてみましょう。
会議への欠席に驚いたのか、
「明日」という時期が問題なのか、
「出ない」と決めたことに
納得出来ないのか。
どの情報に反応したかによって、
「どうして?」で
確かめたい内容が変わります。
続くセリフを読む前に、
直前の発言の
どこに答えているのかを確認します。
言葉の内容と、相手の意図を分ける

相手が口にした内容と、
その言葉を選んだ意図は分けて捉えます。
例えば、
「今日はもう帰っていいよ」
というセリフ。
表面上は、
帰宅を許可する言葉です。
ただし、その意図には
いくつかの読み方があります。
仕事が終わったため帰宅を促している。
疲れている様子を気遣っている。
これ以上話したくないため、
その場から遠ざけようとしている。
続くセリフが
「分かりました」であっても、
どの意図を感じ取ったかで
相手への注意の向け方は異なります。
許可だと理解したなら、
その指示に応じます。
気遣いに気づいたなら、
相手の配慮を受けた言葉になります。
距離を置かれたと判断したなら、
表面上は従いながらも、
関係が変わったことを意識します。
言葉の意味だけでなく、
相手がなぜ今
その言葉を選んだのかを見ます。
ただし、相手の意図を
自由に作るのではありません。
前後のセリフ、関係性、ト書きなど、
台本にある情報から判断します。
言葉と態度の食い違いに気づく
口にした言葉と、
態度や行動が一致しない場面もあります。
「怒っていない」と言いながら、
相手と目を合わせない。
「平気だ」と答えながら、
会話を早く終わらせようとする。
「気にしていない」と言いながら、
同じ話題へ戻ってくる。
人物が言葉を
そのまま信じる場合もあれば、
態度の変化から
違和感を持つ場合もあります。
この後に
「本当に?」というセリフが続くなら、
何を確かめようとしているのかを
具体的にします。
言葉と視線が食い違っていたのか。
急に声量が落ちたことに気付いたのか。
以前の発言と矛盾していたのか。
疑いのきっかけが明確になると、
「本当に?」は漠然と疑う言葉ではなく、
相手の変化へ向けた一言になります。
言葉だけでなく、
どの態度や行動が
判断のきっかけになったのかを
見ることが大切です。
ディレクションで、
注意を向ける箇所を修正する

現場では、相手の発言の
どこに反応するのかについて、
ディレクションを受けることがあります。
「内容そのものより、
言い方の冷たさに気付いてください」
「最後の一言に、
特に反応してください」
「相手が嘘をついていることには、
まだ気づいていません」
「ここでは拒絶ではなく、
気遣いだと理解しています」
これらは、声量や語尾だけを
調整する指示ではありません。
どの情報に注意を向け、
何を理解したうえで
言葉を返すのかを示しています。
例えば、
「拒絶ではなく気遣い」と分かれば、
同じセリフでも警戒より、
相手の配慮に応じる意識が前に出ます。
「嘘にはまだ気付いていない」
と指示されたなら、
疑いを先に混ぜず、
その時点で信じている内容に沿って
言葉を出します。
注意を向ける箇所が変われば、
同じセリフでも
相手への伝わり方は変わります。
今回は、相手のセリフから、
人物がどの情報や意図、
態度に反応しているのかを扱いました。
台本を読む際は、
直前のセリフを
一つのまとまりとして処理せず、
どの言葉や態度が
次の一言へ繋がっているのかを
確認してみてください。
次回は、台本に明記されていない部分を
補う際の、「想像」の使い方について
取り上げます。
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