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俺はハリウッドスター

2003年。

駆け出しの俳優だった。

駆け出しと言っても、妻子はいる。

ある日、欲しい車があった。

妻に相談すると、ローンで購入することになった。

アメ車。

シボレーだ。

ハリウッド映画に出てくる、あのシボレーだ。

俺はすっかりハリウッドスターの気分だった。

そして、車を購入して初めての冬。

俺は、見えない敵に追われていた。

愛車のシボレーブレイザーに乗り、追いつかれまいと冬の悪路を飛ばしていた。

途中に、小さな丘があった。

登り坂は消雪されている。

よし。

そのまま丘を登り切った。

ところが――

反対側の下り坂。

道は、アイスバーンだった。

終わった。

ハンドルを切っても、もう車は言うことを聞かない。

そのまま下り坂を滑り、道を外れた。

車は横転しながら田んぼに落ちていった。

走馬灯を見たような気がする。

いや、見ていない。

ただ、横転する車がスローモーションのように再生されていた。

幸い、意識はある。

まずは車外に出なくては。

しかし、ドアが開かない。

バックドアを開け、這うようにして外へ脱出した。

俺は、アクションスターだ。

……と思った。

半べそをかきながら、車屋に連絡した。

そして、次に頭に浮かんだこと。

妻に怒られる――。

俺はハリウッドスターでもなければ、アクションスターでもなかった。

ただの、ローンで買ったシボレーを田んぼに落とした男だった。

急がば回れだ!

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