働く理由は、最初から分からなくてもいい
英語の疑問から始まった気づき
「私は、マイクロソフト社で働いています。」
この一文を英語にすると、こうなります。
“I work for Microsoft.”
当時、私は「for って会社のために働くという意味が強く、社畜みたいで嫌だな」、
と感じていました。
でも、社会に出てある出会いを経て、
そのネガティブな印象は大きく変わりました。
出会った教育係、上條さん
社会人1年目の頃、法務部に配属され、教育係の方に仕事を教えてもらえることになりました。彼女の名前は上條さん(仮名)。
私より9歳年上の社内弁護士でした。
上條さんは、頭が切れるだけでなく、外見も非常に洗練されていました。
初めて会ったとき、ファッションモデルのような風貌に驚き、思わず横目で見てしまったほどです。
仕事に対しては徹底的にストイックで、完璧を求める人でした。
当然、教育対象である私も厳しく指導され、毎日怒られることが多く、
早々に「仲良くなるのは無理だな」と諦めていました。
仕事の中で見た「人のために働く姿」
ある日、人材あっせん契約書の査読を担当しました。
依頼元の人事部担当者と打合せに行く場面でのことです。
ヒアリングでは、主に私が質問をし、上條さんは聞き役に徹していました。
打合せの最後、上條さんが依頼元に突然こう尋ねました。
「何か困っていることはありませんか?」
普段は見せない質問に、私は思わず、心の中で「変な質問」と思いました。
しかし、依頼元は目を輝かせてこう答えました。
「あります!」
その方が困っていたのは、
転職エージェントが以前のうちの会社に在籍していたこともあり、勝手に他の担当者に連絡してしまう、というものでした。
上條さんはすぐにこう提案しました。
「では、契約書に連絡窓口を固定する条項を 追加しましょう。
担当者の指名や連絡先を明記すれば、他の人からの連絡は契約違反となり、契約解除も可能です」
依頼元は、感激して目を輝かせていました。
私はその瞬間、ハッと気づきました。
上條さんは「人のために働く」人なのだ、
と。
私の仕事観の変化
この出来事は、私の働く理由を大きく変えました。
それまでの私は、なんとなく就職して給料をもらうために働いていました。
でも、上條さんを見て、
仕事は「特定の誰かのために全力を尽くすこと」であり、
その結果として自分の価値も生まれるのだと理解しました。
もちろん、働く理由は人それぞれです。
若い時には何のために働くか分からない時期もあると思います。
でも、まだ出会っていないだけで、
自分の働く意味を見つけてくれる人や経験は必ずある、と思います。
焦らなくても大丈夫
もし、今、働く理由が分からなくても焦る必要はありません。
私自身も、最初はforが嫌だと感じ、意味を見いだせませんでした。
でも、出会いや経験が、ネガティブな印象をポジティブに変えてくれました。
働く理由は、見つけるものではなく、
日々の経験の中で自然に気づくものなのかもしれません。
