高齢者もいるってホント!? 少年刑務所は少年院と何が違うのか|犯罪学の視点から語る
立正大学教授 丸山泰弘(犯罪学・刑事政策)が、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説します。最新回を配信しました。今回のテーマは「少年院と少年刑務所」です。
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少年院と少年刑務所、共通項は少年が入るところ?少年事件について語るときにぜひ知っておいていただきたいテーマ、犯罪学・刑事政策教授が解説します。
スタッフからひとこと
MC丸山初の新書、『死刑について私たちが知っておくべきこと』55頁にこんな記述があります。「読者が裁判員として出席している裁判で刑の内容を決める段階になって、次のような場面に出くわすかもしれません。たとえば、(中略)少年刑務所と少年院の理念の違いや処遇の違いが争点になる時」。この本を読んでくださった方のどのくらいが聴いてくださっているのかはわかりませんが、私たち「ツミナハナシ」はこの問いに答えておく必要があるのではないか!と思い、今さらながら今回のテーマとしました。
さて、みなさんはどのくらい、少年院や刑務所の見学に行かれたことがあるでしょうか。法学部にいても、施設参観をできる大学ばかりではないでしょうし、多くの方は一度も行ったことがないかもしれません。
少年院、少年刑務所、雰囲気が全然違います。特に少年院は、案内をしてくださる方が法務教官で、少年たちの育てなおしを職業とされていますので、それぞれの専門分野(教育、心理等)の視点からみて、少年院とはこういうところで、こんな少年が入っている、という話を聞けたりします。収容される時は加害者として入ることになりますが、実際は地元の友だちから守る意味もある、とか、家族から虐待を受けてきたのでここにいることで安全な場を知って生きなおしをしている等、同じ少年が被害者でもありますね、という話になることもあります。一方少年刑務所は、多くの人を事故(怪我、逃亡等)なく、どうやって作業をスムーズに進めるのか、という視点が多くなります。その施設の役割が根本的に違うということだと感じます。とはいえ、拘禁刑になったことで今後変わって行くはずです。変革の時。注視したいと思います。(み)
こんな話をしています
・まずは少年刑務所の特徴を教えてみてよ
・司法ちゃんで考える年齢が同じでも進む2つのルート
・凶悪犯であろうとも少年の場合は全件家庭裁判所に送られる理由とは
・少年院の種類は1つではない
・刑務所と違って少年院はSchool
・裁判員に必要な少年法の知識と処遇に関するお話
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紹介した作品
『あしたのジョー』
原作:高森朝雄(梶原一騎)、作画:ちばてつや
ツミナハナシを話すヒトたち
丸山泰弘:立正大学法学部 教授/知的エンターテインメント・クリエイター
南口芙美:合同会社黒子サポート 代表
※2人とも、一般社団法人 刑事司法未来 理事
出てきた用語・人物
特定少年
家庭裁判所
国親思想(パレンスパトリエ)
全件送致主義
責任主義
家庭裁判所調査官
保護処分、逆送、検察官送致、起訴
もっと知りたい
特定少年について
少年法改正によって「特定少年」という新しい分類が誕生し、2024年1月には「特定少年」にはじめての死刑判決が下されました。なかなか説明が難しい、少年なようで、成人でもあるような「特定少年」についてはこのエピソードから。
少年法の理念を知りたいなら
少年法の根本には「要保護性」という考え方があります。少年法の基盤となる理念についてはこのエピソードから。
家庭内暴力(ファミリー・バイオレンス)との関係について
少年犯罪の背景を探っていくと、育った環境に課題を抱えていることが多くあります。家庭だから起こる、家庭内だから解決が難しい、ファミリー・バイオレンスについて解説しています。
少年犯罪を考えるエンタメベスト3(+1)
少年犯罪を考えるエンタメを3本(+1本)をご紹介。「狂気の人」といえばこの人の出演作、「若さの暴走」がほとばしるこの一本、少年と司法といえば必読の書をご紹介。今回のエピソードでお話している『塀の中の中学校』はこちらの回でお話しています。
(※ #56 2025年8月12日配信/構成:合同会社黒子サポート)
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