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「次は何をやめようか」と考えた日

「お母さん、格安SIMに変えれば?」
娘にそう言われてから、何か月経っただろう。

携帯電話をauから格安SIMに変えたい。
ずっと気になっていた。

周りで格安SIMに変える人が増えたころ、私も興味を持った。
電話代がずいぶん安くなるらしい。

でも、本当につながるのだろうか。
それよりも、変えることが私にできるのだろうか。


昨年、二女が格安SIMに変えた。
「電話代、すごく安くなったよ。特に困ることもないし」
そう言われても、私はなかなか動かなかった。

手続きが面倒かもしれない。
IDやパスワードを入力するかもしれない。
そもそも、自分が何のIDを持っているのかもよく分からない。
こういうことが私は苦手なのだ。
だから、「自分には無理」と思って、そのままにしていた。

それでも、あまり使っていないのに毎月数千円払っているのは、やっぱりもったいない。
そんな気持ちが、ずっとどこかにあった。


そして今年のお盆、二女が帰省した。
これはいい機会かもしれない。
そう思って、娘についてきてもらい、とうとう格安SIMに変えた。

手続きには少し時間がかかった。
けれど、心配していたようなことは何も起こらなかった。

分からなくなると、隣に座っている娘に聞いた。
それだけで、ちゃんと進んでいった。
娘は頼もしかった。
あんなに難しそうだと思っていたのに、終わってみれば、なんてことはなかった。

これまで月に五千円ほどだった電話代が、これからは千円くらいになる。
数字を見ると、ちょっと嬉しい。

そして、もうひとつ嬉しかったことがある。
「やめることはできない」と思っていたことを、ひとつやめられたことだ。
今まで続けてきたものをやめるのは、少し勇気がいる。

私には、他にも「やめようかな」と思っていることがいくつかある。
疲れやすくなった体を感じるようになってから、そのことを考えることが増えた。

退職したこと。
病気が分かったこと。
七か月になった初孫を、以前のように簡単には抱き上げられないこと。
少しずつ、できないことが増えてきた。

無理をすれば何とかなる。
そんなふうに思っていた時代は、もう終わったのかもしれない。

だからこれからは、自分にとって本当に必要なものを、少しずつ残していきたい。
いらないものは、少しずつ手放していきたい。


人がいつまで生きるのかは、誰にも分からない。
夫のように、突然その日が来ることもある。
できれば母のように、元気に長く生きて、静かに人生を終えたい。
でも、それも自分で決められることではない。

だから今は、今日のことを大切にするしかないのだと思う。


格安SIMに変えた。
たったそれだけのことだが、少し気持ちが軽くなった。


これからは、今の自分に合わなくなったものを、
少しずつ手放していけばいい。

そんなふうに思った。





「次は何をやめようか」と考えた日

毎日note連続投稿2662日目
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※優谷美和さんの画像をお借りしました。


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